研究実績の概要 |
本年度は、画像解析を取り入れた印象評価分析ツールのプロトタイプを開発した。プロトタイプは、デザインの類似性分析に画像解析機能を備えたツールの開発から進めた。まず、Excelのマクロ作成用言語(VBA)を用いて、画像解析ツール(24bit BMP形式の画像の画素値を読み取り、ヒストグラム等の諸量を計算するツール)を開発した。これにより、ツールに取り込んだデザイン画像に含まれている色情報(R(赤), G(緑), B(青), Y(輝度値), H(色相), S(彩度), V(明度)の平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値、分散、標準偏差、コントラストおよびヒストグラムの尖度、各値に対する頻度(個数)、ヒストグラム)を出力することが可能である。また、色相ヒストグラムの画像(png)を出力することが可能である。次に、上記の画像分析機能を追加した主座標分析ツールをExcel VBAを用いて開発した。これにより、主座標分析結果の固有ベクトルの散布図に、入力画像の画像解析結果(色相ヒストグラム画像)をプロットすることができ、色の類似性や相違性を確認しやすくした。また、主座標分析ツールにクラスター分析も追加し、同じクラスターに含まれるデザイン画像の色相情報を確認しやすくした。さらに、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて、デザイン画像の一対比較アンケートが容易に行えるWEBアンケートツールをHTML、CSS、PHPなどを用いて開発した。これにより、ユーザから一対比較アンケートデータを効率よく収集できるようになった。以上により、画像解析を取り入れた印象評価分析ツールのプロトタイプが完成した。
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