研究課題/領域番号 |
17H07316
|
研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松井 一洋 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 助教 (10805055)
|
研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
キーワード | 走幅跳 / 体育授業 / 理数教育 |
研究実績の概要 |
工業系高等専門学校での技術者教育において,とりわけ理数教育は工学上の計測や分析,シミュレーション,統計解析などに関わる重要度の高い教養教育である.本研究では走幅跳における「助走」と「踏切」について,前者では二次関数近似による最適助走距離の算出,後者では斜方投射としての記録の解釈といった観点をそれぞれ学習者に与える授業を試みる.すなわち,本研究の目的は,体育と理数教育を融合させた学びの場から,運動技能に対してのみならず,それに関連する理数学習項目に対し,どのような理解と関心が導かれたかを明らかにすることである.本研究は研究課題Ⅰと研究課題Ⅱにより成り立っており,本年度は主に研究課題Ⅰを中心とした実施計画であった. 研究課題Ⅰ:大きな跳躍距離を得るには,相応の水平速度を導くことのできる助走距離を選択しなければならない.一般に学習者は,限られた授業時間内での試技の中から最適な助走距離を決定する.その際,多くの学習者において助走距離と記録との間の関係は上に凸の最大値を有する二次関数で近似できることが確認されており,近似曲線が最大値(理論値)となるときの助走距離を最適助走距離と仮定して,その助走距離で跳躍した場合の記録(実測値)を測定し,理論値と実測値を比較させる.その差異に関して学習者に考察させるとともに,記録に対する「助走」の影響についての理解と関心をリフレクションシートから定性的に分析する.本研究の目的は,走幅跳の体育授業において,助走距離と跳躍距離との関係を二次関数により近似し,最大値(跳躍距離)を導く助走距離が最適助走距離となり得る可能性について検討することであった. 平成29年度はほぼ研究実施計画どおり進めることができた.研究成果として,原著論文の投稿を行った.現在,査読後の修正も終わっているが,まだ学会誌が発行されておらず,状況として in print である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況について,おおむね順調に進展しており,研究課題Ⅰの研究成果として論文投稿も行った(in print). しかしながら、小課題(3)〔ストロボ撮影画像の提供に関するハードウェア構成の整備〕については,スマートフォンでも画像ファイルから座標を解析できる座標解析プログラムを開発する(画像中の指定点を二次元座標x, yとしてテキスト形式で保存させる機能を有するプログラムを開発する)計画であったが,ソフトウェア開発の見積もりと計画における予定額が合わず,学術的にも使用されているパソコンソフトウェアを利用し,画像ファイルを分析する計画に変更した.
|
今後の研究の推進方策 |
小課題(3)において変更点はあるものの,研究課題Ⅱとしての授業研究は大きな変更がなく,計画通り推進させることができると思われる.
|