インドで確認された実規模下水処理DHSリアクターの機能障害の原因究明を行った。本研究では、1.下水中に含まれた粘土質(カオリン)により担体の詰りが生じ、水理学的滞留時間が減少、2. 下水中に含まれた重金属がスポンジ担体に蓄積し、微生物の活性低下の二つの可能性について実験的検証を行った。1.について、カオリンを都市下水に200 mg/L添加した系および無添加系を用意し、DHSリアクターの下水処理試験を行った結果、各BOD除去率は57%、63%とカオリン添加系でやや低下した。2.について、生分解性試験の結果、重金属無添加系、添加系の各COD除去率が91%、59%と、重金属添加系の除去率は低下した。
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