現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における目標は以下の5つである。 1. 形式モデル上の詳細化パターンを実問題の図式に対応させる手法の構築 2. 新しい記述と既存の記述との整合性を持たせるための記述の導出手法の構築 3. 実モデルの分析による、保守・発展に効果的であることが経験的に知られているパターンの獲得 4. モデルの変更の自動化 5. モデルに様々な変更を施した結果の比較を通じた分析 申請時の予定は、平成29年度に目標1,2,3を、平成30年度に目標4,5を達成するというものだった。しかし、平成29年度の研究遂行を通じ、実モデルの分析を通じて得られたパターンをモデルとして具体化して確認することが適切なパターンの定義(目標3)のために必要であり、そのためには目標4を先に達成することが研究の遂行上望ましいと判断した。 そこで当初の計画を変更し、平成29年度に目標1,2,4を、平成30年度に目標3,5を達成することにし、変更後の計画に従って研究を遂行した。 以上より、目標達成の一部の順序に入れ替わりはあるものの、研究の進捗はおおむね予定通りと考えて良いと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では、平成29年度の成果をもとに、研究の目標のうち実験と分析に関わるもの、すなわち目標3,5の達成を目指す。 目標3(実モデルの分析による、保守・発展に効果的であることが経験的に知られているパターンの獲得):公開されている多段階形式モデルを分析し、特に複数のモデルの要素間の関係について記述した式の形に着目して、パターンの定義を行う。 目標5(モデルに様々な変更を施した結果の比較を通じた分析):あるモデルMについて、モデルの要素の導入の順序や粒度について、Mで採用されているもの以外にも様々な可能性が考えられる。目標4で達成した自動化手法を用いて、モデルMに対し様々な詳細化の変更を施した新しいモデルM'1, M'2, ...を構築する。そして、得られたモデルを比較し分析することで状況に応じた適切な導入順を選ぶための指針を確立する。
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