研究課題/領域番号 |
17H07342
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
早川 真悠 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (20720361)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 経済人類学 / 南部アフリカ / 貨幣 / 会計 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、南部アフリカにおける人びとの経済活動について会計方法(モノの計量、価値の数量化、財産状況の管理)に着目しながら人類学的調査・研究をおこない、彼ら独自の「個別的アカウンタビリティ」を探ることにある。 本研究は、a.南部アフリカでの現地調査、b. 文献調査、c.会計学との比較、という三つの作業を軸にすすめる。これらの作業から、1. 法定通貨の機能と人びとによる使用状況、2. 法定通貨の機能を補完する代替手段の種類とその使用状況、3. 法定通貨と代替手段を併用した、具体的な経済活動・計量方法と会計方法、について明らかにする。 2017年度は11月27日~12月2日および12月24日から1月14日までジンバブエを訪れ、現地調査・調査許可取得の可能性を探った。また、2018年度末に予定している最終成果発表の方法について検討した。調査地については、現地状況や当局の対応、現地の研究者の意見等を考慮した結果、残念ながら2018年8月までにジンバブエでの調査許可の取得は困難と判断した。そのため2018年度は、南アフリカのヨハネスブルグおよびレソト共和国におけるジンバブエ人移民たちの経済活動を対象に調査することとした。また、成果発表については、2018年度末にジンバブエのマシンゴ市にあるグレート・ジンバブエ大学でのワークショップ開催を準備している。 文献調査については、J. GuyerのMarginal Gains(2004)の読書会に参加することができた。また、9月には会計研究学会にて研究発表をおこない、会計学者からの助言をとおして会計にかんする知見を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は予定通り、2018年度におこなう現地調査の調査地・調査対象の選定をおこなうことができた。また本研究期間が終了する3月末には、グレート・ジンバブエ大学でのワークショップをおこなうことになり、この点についても計画どおり進んでいる。 調査地については、当初予定していたジンバブエから南アフリカおよびレソト共和国に調査地を変更することになった。しかし、この変更については本研究申請時点である程度予測されていたことであり、変更の可能性については申請書にも明記している。 2018年度の現地調査が問題なくすすめば、課題について一定の成果を出すこと、またその成果を現地の研究者と共有することができそうである。 以上から、研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の2018年度は、2017年度におこなった調査準備等や読書会を踏まえて、a.現地調査、b. 文献調査、c.会計学との比較をさらに深化させる。a.とくに現地調査では、レソト共和国に一時的に住みながら村落部で行商をおこなうジンバブエ人たちの経済活動について、とりわけ帳簿のつけ方や掛け売りの仕方、信用の基準などに着目しながら、彼ら独自のアカウンタビリティを明らかにすることを目指す。b.文献調査では、経済人類学だけでなくレソト共和国に関する文献についても収集する。c.会計学については、ひきつづき共同研究会等で会計学者らと交流し意見を乞いながら、レソトにおけるジンバブエ人移民たちの経済活動の独自性を明らかにする。 最終的に2018年度3月には、ジンバブエ共和国マシンゴ市のグレート・ジンバブエ大学で成果発表をおこない、ジンバブエ人研究者たちと成果を共有する。
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