本研究では、従来の抽出・逆抽出の制御のために精密なpH調整が必要であり煩雑であった溶媒抽出法を用いた金属イオンの分離に対して、CO2とN2のバブリングのみにより容易に抽出・逆抽出の制御が可能である新規抽出系の開発を行なった。 疎水性の有機系アミンであるN,N-ジシクロヘキシルメチルアミンを用いた抽出系では、数種の金属アニオン種に関するCO2とN2のバブリングによる抽出および逆抽出可能であったが、水溶液の条件によっては分相性に課題もあった。一方、疎水性のアミノ基導入イオン液体を用いた抽出系では、より高い疎水性を有し数種の金属アニオン種に関する抽出能を示した。
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