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2017 年度 実績報告書

iPS細胞由来神経細胞でつくるin vitroワーキングメモリモデル

研究課題

研究課題/領域番号 17H07358
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

矢田 祐一郎  国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 特別研究員 (80805797)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード神経工学 / 多点電極アレイ / iPS細胞由来神経細胞 / ワーキングメモリ
研究実績の概要

本研究では、iPS細胞由来神経細胞を培養した培養神経回路で、情報保持容量を評価する手法を開発し、in vitroワーキングメモリモデルとして機能することを示すことを目的としている。そして、最終的にはワーキングメモリに関わる脳機能疾患の創薬モデルとして確立することを目指す。脳機能疾患への薬剤効果をin vitroで評価するためには、遺伝子・タンパクマーカーの発現、形態変化を調べるだけではなく、脳機能の源泉となる神経回路レベルでの「機能」評価が必要である。
平成29年度は、高密度CMOS電極アレイ上でマウスiPS細胞由来神経回路を培養し、電気生理活動の記録及び電気刺激ができる実験系を構築した。導入した高密度CMOS電極アレイは17.5 um間隔で26,400個の微小電極を配し、最大1024点から20 kHzのサンプリングレートで同時記録が可能である。CMOS電極アレイチップ上にマウスiPS細胞を播種し神経細胞に分化させ、培養した。培養10日頃までには神経細胞のスパイク発火が記録できることを確認した。高密度CMOS電極アレイは非透過のため、CMOS電極アレイチップ上で細胞を位相差観察することはできないが、ライブセルイメージング用蛍光試薬を用いることで、CMOS電極アレイチップ上でも神経細胞と形成された神経ネットワークを観察することができた。マウスiPS細胞から誘導した神経細胞集団はスパイク発火は示したものの、同期バーストと呼ばれる集団発火は観測できなかった。今後、各種培養条件の改変を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスiPS細胞由来神経細胞で当初の予測通りの結果を得たため。

今後の研究の推進方策

同期バーストが観測される試料を準備する。既に同期バーストが生じることが報告されている、市販のヒトiPS細胞由来神経細胞を用いることも検討する。構築した神経回路にパターン化された電気刺激を加え、電気刺激パターンに対する神経活動応答から入力された電気刺激パターンを推定するデコーディング実験を行う。その時間的なデコーディング性能変化から神経回路のワーキングメモリ機能を評価する方法を設計し、適用する。神経活動の基礎的な特性(平均発火量、平均バースト長)と性能の関係を評価し、考察する。

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公開日: 2018-12-17  

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