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2017 年度 実績報告書

好酸球の中心代謝と12/15-リポキシゲナーゼを介した炎症収束メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H07368
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

岡橋 伸幸  国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 特別研究員 (30802748)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード12/15-リポキシゲナーゼ / 好酸球 / レドックスバランス / 中心炭素代謝
研究実績の概要

好酸球に発現する多価不飽和脂肪酸の酸化酵素12/15-リポキシゲナーゼ(LOX)によって産生される脂質メディエーターが炎症収束に寄与していることが示唆されている。しかし、12/15-LOXの活性制御メカニズムは不明な点が多い。申請者は、12/15-LOXの活性維持には、中心炭素代謝から供給された還元力を用いた過酸化脂質の迅速な消去が重要であると考え、好酸球おけるレドックスバランスに注目した。本研究では質量分析装置を用いて、炎症収束時における好酸球の脂質代謝および中心炭素代謝を計測し、それらの役割を解明することを目的とする。
本年度は酵素アッセイおよびin vitro培養系を用いて、12/15-LOX代謝物の産生量と中心炭素代謝や還元力の関係について検討した。
まず、12/15-LOX代謝物量と還元力の関係をin vitro酵素アッセイで評価した。リコンビナント12/15-LOXと多価不飽和脂肪酸をインキュベートし、液体クロマトグラフィー三連四重極型質量分析装置を用いて産生された12/15-LOX代謝物量を調べた。その結果、通常は6時間程度で12/15-LOX代謝物の産生が停止するのに対し、ビタミンEを添加した系では24時間以上継続したことから、12/15-LOXの活性維持に脂質ラジカルの除去が重要であることが確認された。
続いて、IL-5トランスジェニックマウスの脾臓からソーティングした好酸球のin vitro培養系にて12/15-LOX代謝物の産生量と中心炭素代謝および還元力の関係を調べた。その結果、glucoseのない培地で培養した好酸球では産生される12/15-LOX代謝物が減少したことから、12/15-LOXの活性維持に中心炭素代謝が関与していることが示唆された。さらにグルタチオンの前駆体であるN-acetyl-cysteinを培地に添加して還元力供給を強化したところ、12/15-LOX代謝物の産生量が増加したことから、グルタチオンによる脂質ラジカルの除去によって好酸球の12/15-LOX活性が維持されていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定したとおり、これまでに酵素アッセイやin vitro培養実験系において、還元力や中心炭素代謝が12/15-LOXの活性維持に寄与している可能性を確かめることができているため。

今後の研究の推進方策

当初予定したとおり、これまでin vitro実験系で見出した知見を実験動物を用いて検証する。

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公開日: 2018-12-17  

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