本研究により、融合遺伝子の形成がミスマッチ修復欠損(マイクロサテライト不安定性検査陽性)の大腸がんで、より高頻度で起こっていることが示された。これまでミスマッチ修復欠損のがんでは染色体は安定に保たれていると考えられていたが、局所的な染色体異常が引き起こされていることが本研究により明らかになった。このことはヒト細胞においてミスマッチ修復がある種の染色体異常を抑制していることを証明するものである。また本研究により、大腸がんにおいて7種類の新規融合遺伝子の検出に成功した。これらの新規融合遺伝子は今後詳細な解析を行うことによって、新規分子標的薬の開発など臨床的に利用できる可能性がある。
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