• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

認知行動療法的観点からの吃音の病態理解、および事例研究による効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 17H07372
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

灰谷 知純  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 流動研究員 (90804500)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード吃音 / 認知行動療法 / ネガティブ感情 / ポジティブ感情 / 社交不安
研究実績の概要

平成30年度は、平成29年度に引き続き、コミュニケーションの満足度をアウトカムとして設定したうえで、即時的回答法(Ecological momentary assessment)を用いた測定を8名の吃音のある成人に対して実施した。データ分析の結果、ネガティブ感情は、吃音症状やそれに対する対処(「流暢に話そうとする」「吃音に注意が奪われる」など)・コミュニケーションの満足度と関連する一方、ポジティブ感情はコミュニケーションに対する集中やコミュニケーションの満足度と関連する可能性があることが明らかとなった。このことは、吃音のある成人に対して、ネガティブ感情・ポジティブ感情の影響を考慮しつつ、認知行動療法的な働きかけを行うことが有効である可能性があることを示唆している。
さらに、吃音のある成人の社交不安の特徴を明らかにするため、328名の吃音のある成人のLiebowitz社交不安尺度(LSAS)の回答に対して因子分析を行った。その結果、吃音のある成人のLSASの因子構造は(吃音のない)不安症のある人とは異なること、また、吃音のある成人の社交不安は、主に発話を伴わない場面では低く、電話場面で高まることが明らかとなった。このことは、吃音のある成人の社交不安の臨床症状は、(吃音のない)不安症のある人とは異なり、その特徴に合わせた治療アプローチが必要であることを示唆している。加えて、LSASを含む様々な質問紙を用いて、吃音のある成人245名のデータに対する統計解析を行ったところ、吃音のある成人の社交不安はコミュニケーションの困難と直接的な関連が強いことがわかり、社交不安の緩和にはコミュニケーション困難を緩和させることが有効であることが示唆された。
これらの研究成果は、吃音のある成人の社交不安の特徴を明らかにするとともに、日常生活の社交場面における病態理解を行った点で意義がある。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 吃音のある成人のLiebowitz社交不安尺度の恐怖の下位尺度に対する探索的bifactor分析2018

    • 著者名/発表者名
      灰谷 知純・酒井 奈緒美・森 浩一・北條 具仁
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] 成人吃音相談外来受診者におけるLiebowitz社交不安尺度の因子構造2018

    • 著者名/発表者名
      灰谷 知純・酒井 奈緒美・森 浩一・北條 具仁
    • 学会等名
      第63回日本音声言語医学会総会・学術講演会
  • [学会発表] The factor structure of the Japanese version of Liebowitz Social Anxiety Scale in people who stutter2018

    • 著者名/発表者名
      Tomosumi Haitani, Naomi Sakai, Koichi Mori, Tomohito Hojyo, & A-Rong-Na Hohchahar
    • 学会等名
      One World, Many Voices: Science and Community
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi