研究課題/領域番号 |
17H07375
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
下吹越 直子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (50805108)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 訪問看護 / ケアマネジメント / アセスメント / 在宅高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域包括ケアシステムが推進される中、在宅療養で重要な役割を持つケアマネジャーが、在宅療養者へタイムリーに訪問看護サービスが提供できるよう、基礎資格の違いによるアセスメントの偏りを改善するため、訪問看護導入に伴うアセスメントツールの開発を目的としている。その初期段階として、訪問看護導入する判断となるアセスメントの構成概念を明確にすることを目的に、訪問看護導入を判断する要因を基に作成した質問紙を用いて、構成概念妥当性と信頼性を検討した。居宅介護支援事業所に従事するケアマネジャー 471名を対象に訪問看護導入を判断した要因を基に作成した質問紙を郵送により送付し、211名の回答が得られた。 訪問看護導入の判断するアセスメントの因子構造とその項目を確認するため、最尤法、プロマックス回転用いて探索的因子分析を行った。その結果、4因子の因子構造が認められ、それぞれの因子を【利用者の生活状況と必要な日常生活の支援】【利用者への医療面の支援の強化】【利用者の医療的処置・管理と療養の時期】【利用者の心身状態の悪化予防と備え】とし、構成概念妥当性が確認できた。また、訪問看護の導入を判断する項目は136項目より96項目に整理された。 信頼性の検討はクロンバックのα係数を採用し、各因子のα係数は0.933~0.963、因子全体では0.974を示し、0.8以上の基準を満たしており信頼性は確保された。 本研究の結果より、4因子の構成概念が認められたが、すべての項目を訪問看護導入を判断する指標とするには項目数が多く、実用性に欠けるため、実用可能とするためには、項目をさらに精選、構造化し、精度の高い指標とする必要があり、課題調査対象を拡げて調査する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、訪問看護導入を判断する質問紙を送付し、返送された回答についてデータを分析、質問紙の信頼性と妥当性を検討し、質問紙を修正する予定としていた。計画に基づき、研究対象者471名へ質問紙を郵送で送付し、9月までに211名分の回答が得られた。しかし、補助金使用開始時期の遅れから分析統計ソフトの導入が遅れ、12月よりデータ入力、データ分析を開始したことから、訪問看護導入を判断する構成概念妥当性と信頼性を検討、論文としてまとめている段階である。予定していた質問紙の内容の修正まで至らず、現在、研究結果の公表に至っていないこともあり、達成度は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護導入を判断するアセスメントの基盤となる質問紙の構成概念妥当性・信頼性を検討した結果を基に考察し、論文としてまとめ、学会誌へ投稿により結果を公表する。(H30.6まで)この研究の結果から、訪問看護導入に関連するアセスメントの視点となる質問紙の項目と内容を専門者会議によって精選、決定する。その後、調査対象を全国に拡げ、対象を無作為抽出法により決定、郵送法により調査する。(H31.1まで)全国調査後、統計的にデータ分析を進め、結果を基に考察し、論文としてまとめ、学会等で公表する。 同時に、ケアマネジャーの基礎資格の違いについて分析し、訪問看護を導入する判断の視点の違いを明確にし、結果をもとに考察し、論文としてまとめ、学会等で公表する。(H30.12まで)
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