本研究は、訪問看護導入に伴うアセスメントツールの開発することである。平成29年度の調査によって得られたケアマネジャー(以下CM)の訪問看護導入を判断する【利用者の生活状況と必要な日常生活の支援】【利用者への医療面の支援の強化】【利用者の医療的処置・管理と療養の時期】【利用者の心身状態の悪化予防と備え】と96項目を基に、平成30年度は、CMが在宅療養者をアセスメントする際に、【医療面の支援の強化】に影響を与えている【医療的処置と療養の時期】の要因を明らかにした。対象者は、A市内居宅介護支援事業所全181ヶ所の全CM471名であった。(有効回答率42.4%) その結果、【医療的処置と療養の時期】を構成する「医療機器の管理」「摘便・浣腸などの排便の処置」「喀痰吸引」「排尿・排便パック交換」「医療施設からの退院」に有意差が認められ、CMのアセスメントに影響を与えていることが明らかになった。有意差がみられた項目は、CMが在宅療養者をケアマネジメントする際、医療的な専門知識が必要となることから【医療面の支援の強化】に影響を与えていることが考えられる。 また、看護職CMと介護職CMの訪問看護導入の判断の視点の違いについて分析した。その結果、中央値において、【利用者の生活状況と必要な日常生活の支援】【利用者の医療的処置・管理と療養の時期】【利用者の心身状態の悪化予防と備え】では看護職CMが高く、【利用者への医療面の支援の強化】では介護職CMが高かった。 在宅療養者へ必要時に適時な訪問看護サービスを導入するためには、それぞれの職種の特徴を活かし、すべてのCMが在宅療養者を詳細にアセスメントするためのツールが必要である。そして、CMが医療職との連携・協働によって、在宅療養者をアセスメントできるネットワークとシステムつくりが急がれる。
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