研究課題/領域番号 |
17H07382
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
竹森 志穂 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 助教 (50807477)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 地域看護 / 在宅看護 / 訪問看護 / リスクマネジメント / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
現在、訪問看護に従事する看護師の大多数は医療機関での勤務経験をもつが、病棟と異なる現場で様々な不安を感じている。特に、在宅におけるリスクマネジメントは、看護師が実施する行為だけでなく、療養者とその家族の心身の状態や環境等のアセスメントに基づいて対策を検討することが求められる。しかし、リスクマネジメントに関する取り組みは訪問看護ステーションごとに異なる。本研究では、訪問看護を始めた看護師が経験するリスクと関連要因について分析し、訪問看護師育成のためのリスクマネジメントに関する教育プログラムの構成を検討することを目的とする。本研究は、2段階で実施し、第1段階は個別のインタビュー調査、第2段階は質問紙調査を行う計画である。本研究成果は、看護師の教育および訪問看護ステーションの運営に活用できると考える。 平成29年度は、第1段階のインタビュー調査を実施した。研究テーマに関する文献検討、研究計画書の作成を行い、研究者の所属機関の倫理審査委員会の承認を得た後、研究対象者のリクルートを行った。研究対象者は、首都圏の訪問看護ステーションに勤務する看護師で、病棟勤務経験があり訪問看護経験1年以上の者とした。訪問看護のエキスパートや研究者に、インタビューへの協力が可能と思われる看護師の推薦を依頼し、その後、推薦された看護師に研究者が書面および口頭で協力依頼をした。最終的に、計画していた人数である8名の協力を得られ、インタビューを終了した。 インタビューでは、リスクマネジメントに関する経験と認識について語ってもらった。療養者ごとに生活スタイルや環境が異なることや、療養者・家族とコミュニケーションをとりながらケアや処置を実施することなどに関連したリスクや、アクシデントを避けるために実施している取り組みや工夫などが語られた。今後、分析を進め、第2段階の質問紙作成を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度内に、計画していた対象者数のインタビュー調査を終了し、分析に着手できたため、おおむね順調であると評価する。しかし、初年度内にインタビューの分析をあまり進めることができなかったため、平成30年度は、質問紙調査の実施に向けて、スケジュールの再調整をしながら進める。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、第2段階の質問紙調査を以下の計画に基づき実施する。所属機関の研究倫理審査を経て実施するため、変更が生じる可能性がある。 (1)第1段階の結果を参考に、訪問看護師を対象とする自記式質問紙調査票を作成する。質問紙は、属性、リスクマネジメントに関する経験や学習、その他の関連要因を含むものとする。 (2)首都圏内(または単独の都県)の訪問看護ステーションに所属する看護職を対象に、郵送法による質問紙調査を実施する。 (3)回収したデータから、リスクマネジメントに関する経験とその関連要因等を分析し、訪問看護師育成のためのリスクマネジメント教育プログラムの構成(枠組み)を検討する。 (4)本研究は、在宅看護・訪問看護の実践者や研究者等のスーパービジョンを受けながら進める。
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