本研究では,炭質物の反応速度論に基づく新しい地質温度圧力計と速度計を開発することを目的として研究を行った.この指標は日本に広く露出する低変成度岩に有効であり,野外調査と反応速度実験を組み合わせた研究を実施した. (1)野外調査では,詳細な地質図を作成することによって領家と三波川帯の変成岩が地下深部ですでに接合していたことを明らかにした.(2)次に活性化体積を見積もる反応速度実験を実施した.この実験では-33.7から-1.5 cm3mol-1の活性化体積を得ることができた.この我々の実験データは天然の石墨化は従来の実験結果よりもずっと早く反応が進行することを明らかにした.
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