研究課題
本年度は、前年度で確立した表面化学現象におけるスピン混入誤差の算出スキームを用い、以下の点を解明し論文としてまとめるに至った。(1)不均一系触媒反応におけるスピン混入の影響を明らかとした。具体的には、コアシェル型触媒によるNOの還元除去反応におけるスピン混入誤差を算出した。スピン混入誤差の補正の有無により律速段階が変わる場合がること、スピン混入の影響の大きさの違いが酸化物被膜の表面構造により整理できることを示した。(2)表面における単原子拡散・凝集におけるスピン混入誤差の影響と静的電子相関の影響を定量的に算出することに成功した。表面反応での結果と気相反応での結果を比較することによって、表面反応におけるスピン混入誤差の最大値は気相と比べ小さくなるが、その影響が生じる領域は広くなることがわかった。さらに、スピン混入誤差の補正によってエネルギー曲線が変化し、遷移状態構造が変化する可能性が示唆された。以上の通り、当初予定していた表面化学反応におけるスピン混入誤差の算出スキームの確立とその影響の解明を達成した。また、これらの研究を発展させ、結晶固体におけるスピン混入誤差の算出や計算モデル由来の誤差の算出スキームの検討、計算結果に基づく実触媒の調製にも着手した。実触媒調製に関しては計算から予測された通りの性能をもつ触媒が調製された。この結果に関しても論文として発表を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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