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2017 年度 実績報告書

経済的価値の神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17J00389
研究機関東北大学

研究代表者

元木 康介  東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワード消費者神経科学 / 神経経済学 / fMRI
研究実績の概要

本研究の目的は、快楽財/機能財の経済価値判断が処理されている脳領域を明らかにすることである。快楽財とは、感情面(楽しさ等)を理由に購買する商品である。一方で、機能財とは機能面(有用性等)を理由に購買する商品である。しかしながら、快楽財/機能財の経済価値判断の脳領域はわかっていない。さらに、それが意識的・自動的価値判断で異なるかどうかもわかっていない。
オンライン予備実験を行い、快楽財・機能財を選定した。快楽財として主にコミック、機能財として主に実用書を選定した。予備実験で選定した刺激を用いて、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)実験を行った。fMRI実験は、予定通り、東北大学加齢医学研究所ブレインイメージング棟のMRI 装置を使用して行った。
実験参加者は、意識的な経済価値として、MRIの中で快楽財/機能財の支払意思額を回答した。結果として、快楽財/機能財の意識的経済価値は、共に前頭前野腹内側部と線条体で処理されていることがわかった。また、自動的な価値判断を測定するために、実験参加者はMRIの中で、快楽財/機能財の知覚判断(本のタイトル行/人物の合計数を回答)を行った。自動的な価値判断の際には、快楽財の価値が前頭前野腹内側部で処理されていた。なお、この自動的価値の結果は、報酬感受性が高い個人のみ見られた。これらの成果は、生物学的な基盤に立脚した新しい消費者行動理論につながると期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初想定された研究計画より前倒しで、実験結果が得られた。また、成果を学会で発表することができた。

今後の研究の推進方策

論文として国際学術雑誌に投稿・発表する。また、経済価値判断に関連する新たな実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tastiness but not healthfulness captures automatic visual attention: Preliminary evidence from an eye-tracking study2018

    • 著者名/発表者名
      Motoki Kosuke、Saito Toshiki、Nouchi Rui、Kawashima Ryuta、Sugiura Motoaki
    • 雑誌名

      Food Quality and Preference

      巻: 64 ページ: 148~153

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2017.09.014

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Disgust, Sadness, and Appraisal: Disgusted Consumers Dislike Food More Than Sad Ones2018

    • 著者名/発表者名
      Motoki Kosuke、Sugiura Motoaki
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 9 ページ: 1

    • DOI

      https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.00076

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 消費者神経科学の動向と展望―神経科学を消費者行動研究に役立てるために2018

    • 著者名/発表者名
      元木康介、杉浦元亮
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 37 ページ: 77~103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Consumer Behavior, Hormones, and Neuroscience: Integrated Understanding of Fundamental Motives Why We Buy2017

    • 著者名/発表者名
      Motoki Kosuke、Sugiura Motoaki
    • 雑誌名

      Psychologia

      巻: 60 ページ: 28~43

    • 査読あり
  • [学会発表] 快楽財と機能財の価値は共通しているのか―脳機能イメージングによる検証―2017

    • 著者名/発表者名
      元木康介, 杉浦元亮, 川島隆太
    • 学会等名
      第54回消費者行動研究コンファレンス

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公開日: 2018-12-17  

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