• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

室内温熱環境が居住者の健康寿命に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17J00520
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中島 侑江  慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2021-03-31
キーワード健康寿命 / 高齢者 / 住宅 / 室温 / 断熱性能 / 燃料貧困 / 統計データ
研究実績の概要

本研究では室内温熱環境が居住者の健康寿命/要介護状態に及ぼす影響およびそのメカニズムを解明することを目的として、「実測・アンケート調査」と「統計データ解析」の2つのアプローチから研究を進めた。二年目までに実施したフィールド調査では「寒冷な住宅に住み、さらに経済的な不安を抱える高齢者は虚弱のリスクが高い」こと、さらに「寒冷な住宅に住む者は初めて要介護認定された際の年齢が低い(=健康寿命が短い)」ことを明らかにした。これまで既往研究で低所得と健康リスクに関連があることが指摘されてきた中で、住宅の室温がさらなるリスク因子になり得るという新たな視点を提示したことで、本研究は健康維持増進に向けた建築環境工学からのアプローチの有用性を示した。こうした健康、住宅、貧困の複合的な課題は「燃料貧困」という概念のもと、特に英国を中心とした西欧諸国で研究や住宅政策の検討が進みつつある。そこで本年度は日本の燃料貧困の問題に関して統計データを活用して分析することで、フィールド調査で得られた知見に対する考察を深めた。分析の結果、高齢、独居、低所得世帯で燃料貧困のリスクが高く、こうした世帯を対象とした公的サポートによって住宅の断熱性能を向上させることが燃料貧困リスクの低減、ひいては居住者の虚弱リスクの低減のために有効であることが示された。また、燃料貧困世帯割合の全国分布を検討したところ、燃料貧困世帯は首都圏と比較して地方で多い傾向にあることが明らかになり、現行の住宅省エネ基準で気候条件に基づき断熱性能基準が設定されている現状では燃料貧困の課題に十分にアプローチできていない可能性が示された。分析に際しては初年度に短期留学したスウェーデン ルンド大学Centre for Ageing and Supportive Environments (CASE)の研究者と遠隔での打ち合わせを重ねながら執筆を進めた。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Lund University(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      Lund University
  • [雑誌論文] PERCEIVED INDOOR TEMPERATURE AND CHANGE IN NURSING CARE LEVEL IN COMMUNITY-DWELLING ELDERLY2020

    • 著者名/発表者名
      ONO Mari、IKAGA Toshiharu、NAKAJIMA Yukie、HOSHI Tanji
    • 雑誌名

      Journal of Environmental Engineering (Transactions of AIJ)

      巻: 85 ページ: 197~204

    • DOI

      doi.org/10.3130/aije.85.197

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Disparities of indoor temperature in winter: A cross‐sectional analysis of the Nationwide Smart Wellness Housing Survey in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Umishio Wataru、Ikaga Toshiharu、Fujino Yoshihisa、Ando Shintaro、Kubo Tatsuhiko、Nakajima Yukie、Hoshi Tanji、Suzuki Masaru、Kario Kazuomi、Yoshimura Takesumi、Yoshino Hiroshi、Murakami Shuzo
    • 雑誌名

      Indoor Air

      巻: 00 ページ: 1~12

    • DOI

      doi.org/10.1111/ina.12708

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 非公開統計情報に基づくFuel Poverty世帯の特徴と全国分布2020

    • 著者名/発表者名
      中島侑江, 伊香賀俊治
    • 学会等名
      令和2年度空気調和・衛生工学階学術講演会(オンライン)
  • [学会発表] 非公開統計情報に基づくFuel Povertyと住宅・世帯属性の関連2020

    • 著者名/発表者名
      中島侑江, 伊香賀俊治
    • 学会等名
      2020年度第90回日本建築学会大会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi