研究課題
本研究は、織物複合材料の設計・評価技術のさらなる高度化に資するために、織物複合材料のマクロ(積層板)/メゾ(織構造)/ミクロ構造(繊維と母材)において相互に連成可能な理論・解析手法を構築し、その解析コードを開発することを目的としており,またその開発手法の定量的な妥当性確認も行った。令和元年度で行った内容としては,主に以下の2つである.まず,妥当性確認のために,VaRTM成形した平織GFRP複合材料およびオートクレーブ成形した炭素繊維/エポキシ綾織複合材料をJIS K7165に準拠したジオメトリで切り出し,試験片を作成した.これら試験片に対して,一定ひずみ速度の下,室温環境下(298K)で引張試験を実施した.次に試験片の断面観察より,実験との比較解析で用いる有限要素モデルを作成した.その後,実験で得られた種々の織物複合材料の応力-ひずみ関係と,この実験結果を基に同定した材料定数を用いた解析結果を比較したところ,構成材料や内部構造,織構造の種類にかかわらず,織物複合材料のマクロ非弾性挙動を従来手法よりも精度良く予測可能であることが示された.次に,成形時の温度変化によって発生した熱残留応力およびひずみが,温度変化および外力を与えず保持した場合にどのように変化するか調査するために, T = 353.5Kから室温(T = 299K)まで温度を下げて,その後24h保持する解析を実施した.なお保持時間は,エポキシ樹脂の一般的な硬化時間を参考にした.この解析結果より,マクロ熱残留ひずみは保持開始直後には若干減少するが,その後減少速度は小さくなり,24hの温度保持後のひずみ量は非常に小さいことがわかった.また一方で,メゾ熱残留応力は,温度保持によって,その分布性状や値にあまり変化は生じないことが明らかになった.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Ninth Japan Conference on Structural Safety and Reliability (JCOSSAR 2019) 論文集
巻: OS14-2A ページ: pp. -
巻: OS14-2A ページ: pp. 470-474