研究課題
うつ病罹患者に対するサポート行動を促進する教育プログラムを開発するという目的に向け,当該年度は4月から8月まで,うつ病教育に関して世界的な実績を持つメルボルン大学のNicola Reavley研究室に滞在して共同研究に従事した。具体的には,研究課題の中で構想していたうつ病教育プログラムについての意見交換を行ったほか,プログラム開発の土台となる先行研究を整理するためのメタ分析研究に着手した。8月21日に帰国した後は,うつ病のサポート行動に対する動機づけ (利益・コスト感) に着目した調査研究の学会発表を実施し,日本心理学会第83回大会では学術大会優秀発表賞を,日本パーソナリティ心理学会第28回大会では優秀大会発表賞をそれぞれ受賞することができた。また,日本心理学会第83回大会や日本教育心理学会第61回総会でシンポジウムの企画運営を行い,自らが構想するうつ病教育プログラムについての有益な意見交換を行うことができた。さらに,前年度までの研究成果をもとにした論文を執筆し,国内誌『心理学評論』と国際誌Psychiatry and Clinical Neurosciencesにて査読付き論文1本ずつを公開することができた。このように,当該年度では,国内外の研究者と協働して教育プログラムのアイデアを精緻化でき,研究成果のアウトプットを進め,学会からの高評価を得ることもできた。「うつ病の教育プログラムを実施して効果を評価する」という当初の目標は達成できなかったものの,理論研究の知見を当初の想定以上に蓄積できたため,総合的には順調に研究が進展したと評価できる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)
Psychiatry and Clinical Neurosciences
巻: 73 ページ: 441-447
10.1111/pcn.12838
心理学評論
巻: 62 ページ: 143-165
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