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2019 年度 実績報告書

アンリ・ルフェーヴルにおける「スタイル」の思想:テクノクラシー批判を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 17J01101
研究機関東京大学

研究代表者

山本 千寛  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードアンリ・ルフェーヴル / 日常生活批判 / 空間論 / 構造論的歴史主義 / 現実意識 / 都市への権利
研究実績の概要

本年度の研究では、研究対象であるアンリ・ルフェーヴルの社会分析における歴史と時間の重要性と、「権利」に関する考え方の変化について考察した。その研究成果として1編の論文刊行と2件の学会報告、さらには1件のアウトリーチ活動をおこなった。
昨年度末の時点での見通しでは、本年度の研究課題のひとつは『日常生活批判III』における情報社会化論の読解であった。しかし、この点については読解の作業は進展できているものの具体的な報告や論文の成果にはまだつなげられていない。
本年度の研究としては第一に、「空間の思想家」と紹介されることの多い研究対象を「歴史」にかかわる記述に着目して再読した。とりわけジョルジュ・ギュルヴィッチやリュシアン・ゴルドマンといった同時代の社会学者たちの構造主義への態度との比較のなかでルフェーヴルの「構造論的歴史主義」の姿勢を明確に提示した点に新規性がある。この成果について報告者は2019年度日仏社会学会例会の招待報告において発表をおこなった。
第二に、報告者は日常生活批判と都市空間論の接点という観点から、空間と時間の関係を再考する研究をおこなった。とりわけ現実は「こういうものなのだ」し「ほかのかたちではあり得ない」という二重の幻想について、その時間・空間的側面をそれぞれ論じた点に本研究の貢献がある。この成果を報告者は『日仏社会学会年報』第30号上で査読論文として発表した。
第三に、ルフェーヴルが最晩年の市民権論のなかで「権利」の問題を論じなおす箇所に着目して研究をおこなった。とくにカタルーニャに関する裁判が参照されることに着目した点に本研究の新しさがある。この成果について報告者は日本社会学理論学会第14回大会にて口頭発表をおこなった。
最後に、上記の「都市への権利」というルフェーヴルの考え方について、学内外の人びとにわかりやすく伝えるアウトリーチ活動もおこなった。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] アンリ・ルフェーヴルにおける「現実意識」の空間―日常生活批判と都市空間論の交差点をめぐる考察―2019

    • 著者名/発表者名
      山本千寛
    • 雑誌名

      日仏社会学会年報

      巻: 30 ページ: 79-99

    • 査読あり
  • [学会発表] 社会学者アンリ・ルフェーヴルと「歴史」の問題2019

    • 著者名/発表者名
      山本千寛
    • 学会等名
      2019年度日仏社会学会研究例会
    • 招待講演
  • [学会発表] 晩期ルフェーヴルにみる「市民」の再発明-「使用者」概念への反省を手がかりに2019

    • 著者名/発表者名
      山本千寛
    • 学会等名
      日本社会学理論学会第14回大会

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公開日: 2021-01-27  

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