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2019 年度 実績報告書

重力波検出器KAGRAおよび次世代重力波検出器のための量子雑音低減法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17J01176
研究機関東京大学

研究代表者

長野 晃士  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワード重力波 / 重力波検出器 / レーザー干渉計
研究実績の概要

本研究の目的は、重力波検出器KAGRAや次世代重力波検出器の原理的な雑音となると考えられている、レーザー光の量子雑音を低減する手法を開発することである。そのため、本年度は、KAGRAの観測運転に向けた干渉計コミッショニングや、日本の次世代重力波検出器である宇宙重力波検出器DECIGOの干渉計を制御を含んだ形でシミュレートする研究などを行った。以下、これらの研究実施状況について説明する。
これまで、KAGRAは装置のインストールを行うフェイズであったが、KAGRAの性能を設計通り発揮させるためには、コミッショニングが必要である。2019年度は、実際にKAGRAのコミッショニングを他のKAGRAコラボレーターと協力して行った。コミッショニングの結果、KAGRAは量子雑音の一種であるショット雑音にせまる感度を達成した(ただし、現在のショット雑音は最終的なものより3桁程度悪い)。そして、2019年2月から、初めての重力波観測運転を開始した。KAGRAは、今後さらに感度向上を進める計画であるが、重力波物理学・天文学に寄与するための技術を開発する準備が整えられたと言える。
また、KAGRAの後の日本の重力波検出器計画としてDECIGO計画が進められている。DECIGOの詳細な干渉計制御方式はこれまでほとんど検討されていなかった。そこで、量子雑音に制限されたDECIGOの目標感度を達成し、さらにその低減技術の可能性を探るために、制御方式を含んだ形での検討を初めて行った。結果として、DECIGOのような宇宙重力波検出器が1日以上安定な動作を続けられること、そして、制御による雑音を考慮しても、0.1 Hz付近では量子雑音に制限された感度を達成できることをシミュレーション上で初めて確認した。これは、量子雑音低減技術が将来の宇宙重力波検出器にも寄与することを示す重要な成果であった。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An arm length stabilization system for KAGRA and future gravitational-wave detectors2020

    • 著者名/発表者名
      KAGRA collaboration
    • 雑誌名

      Classical and Quantum Gravity

      巻: 37 ページ: 035004~035004

    • DOI

      10.1088/1361-6382/ab5c95

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Axion Dark Matter Search with Interferometric Gravitational Wave Detectors2019

    • 著者名/発表者名
      Nagano Koji、Fujita Tomohiro、Michimura Yuta、Obata Ippei
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 123 ページ: -

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.123.111301

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] First cryogenic test operation of underground km-scale gravitational-wave observatory KAGRA2019

    • 著者名/発表者名
      KAGRA collaboration
    • 雑誌名

      Classical and Quantum Gravity

      巻: 36 ページ: 165008~165008

    • DOI

      10.1088/1361-6382/ab28a9

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Prospects for gravitational-wave polarization tests from compact binary mergers with future ground-based detectors2019

    • 著者名/発表者名
      Takeda Hiroki、Nishizawa Atsushi、Nagano Koji、Michimura Yuta、Komori Kentaro、Ando Masaki、Hayama Kazuhiro
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 100 ページ: -

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.100.042001

    • 査読あり
  • [学会発表] スペース重力波アンテナ DECIGO計画(117):双方向Fabry-Perot干渉計の実証2020

    • 著者名/発表者名
      長野晃士、武田紘樹、下田智文、正田亜八香、道村唯太、安東正樹
    • 学会等名
      日本物理学会第75回年次大会
  • [学会発表] スペース重力波アンテナ DECIGO計画(109): 双方向Fabry-Perot干渉計の開発2019

    • 著者名/発表者名
      長野晃士、武田紘樹、下田智文、道村唯太、安東正樹
    • 学会等名
      日本物理学会2019年秋季大会
  • [学会発表] 双方向Fabry-Perot干渉計の開発2019

    • 著者名/発表者名
      長野晃士、武田紘樹、下田智文、道村唯太、安東正樹
    • 学会等名
      第18回DECIGOワークショップ

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公開日: 2021-01-27  

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