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2019 年度 実績報告書

トランスオミクスを用いたヤマクマムシの乾眠誘導機構の解明及びその進化機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17J01594
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

近藤 小雪  慶應義塾大学, 環境情報学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードクマムシ / 乾燥耐性 / AMPK / ミトコンドリア / プロテオミクス
研究実績の概要

今年度は、前年度の結果を元にAMP-activated protein kinase (AMPK) を事前に活性化することで、クマムシの乾燥耐性を向上させることが出来るかどうか検証を行った。間接的または直接的なAMPK活性化剤に浸漬したクマムシ (Hypsibius exemplaris) の乾燥耐性への影響を検討し、間接的なAMPK活性化剤のみがクマムシの乾燥耐性を向上させることを示した。使用した間接的なAMPK活性化剤はミトコンドリア複合体Ⅰの阻害剤であることから、今回観察されたH. exemplarisの乾燥耐性向上は、AMPKの活性化によるものではなく、ミトコンドリア複合体Ⅰ阻害による可能性が考えられた。その場合、細胞内の酸化ストレス状態が変化している可能性が高い。そこで次に、間接的活性化剤で処理したクマムシの細胞内GSH/GSSG比の測定を行った。しかし、1ロットあたり2,000匹のクマムシを用いたにも関わらず、GSSG濃度は測定範囲を下回り、値を得ることが出来なかった。最後に、乾燥耐性向上メカニズムの一端を明らかにするために、間接的活性化剤で処理したクマムシのホールプロテオミクスを行い、未処理の対照群と比較して発現レベルが有意に変化したタンパク質を4種同定した。これらのタンパク質は間接的活性化剤処理によるクマムシの乾燥耐性向上に関与している可能性が考えられる。
当初の仮説とは異なる結果となったが、クマムシの乾燥耐性を向上させる化合物を同定したのは本研究が初めてである。今後はこの化合物の作用機序をより詳細に調べることで、クマムシの乾燥耐性機構を明らかにしてゆく。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of Modena and Reggio Emilia(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      University of Modena and Reggio Emilia
  • [雑誌論文] AMPK activity is required for the induction of anhydrobiosis in a tardigrade Hypsibius exemplaris, and its potential up‐regulator is PP2A.2019

    • 著者名/発表者名
      Kondo, K, Mori, M, Tomita, M, Arakawa, K
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 24 ページ: 768-780

    • DOI

      10.1111/gtc.12726

    • 査読あり
  • [学会発表] Signaling pathways regulating anhydrobiosis in an anhydrobiotic tardigrade, Hypsibius exemplars.2019

    • 著者名/発表者名
      Koyuki Kondo
    • 学会等名
      The International Workshop “Reversible drying: lessons from anhydrobiontes”.
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] クマムシの乾眠にはPP2Aを介したAMPK活性が必要である2019

    • 著者名/発表者名
      近藤小雪、森大、冨田勝、荒川和晴
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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