今後の研究の推進方策 |
平成29年度には、①平成30、31年度の研究に利用する供試魚の作出と②A系統の染色体識別プローブの開発に成功した。 今後、作出した同質三倍体雄 (AAA,BBB) と異質三倍体雄 (AAB,ABB)、そして雄は不妊であるが雌では異質ゲノム排除により妊性を持つクローン由来三倍体雌 (AAB,ABB) の配偶子形成過程における染色体の挙動に注目して、雌雄やゲノム構成によってプロセスの異なる、不妊機構と不妊回避機構を解明を目指す。 具体的には、同質三倍体雄 (AAA,BBB) においてシグナル数から倍数性が決定可能な5.8S+28S プローブを用いてFISH を行い減数分裂時の相同染色体間での対合の挙動を観察し不妊の原因を調査する。さらに、異質三倍体雄 (AAB,ABB)の精巣からA 型精原細胞、B 型精原細胞、精細胞、精子様細胞を単離し、それぞれの細胞で5.8S+28S プローブを用いてFISH を行い、シグナルの数から6n 細胞化のタイミングを解明する。またA 型精原細胞を培養し経時的に観察することで6n 細胞の形成メカニズムを解明する。次にクローン由来三倍体雌 (AAB,ABB) の卵巣から卵細胞を摘出し、動物極側に移動を開始した卵核胞を取り出してA、B 系統識別プローブを用いて2-Color FISHを行い、排除されたゲノムと1n 卵のゲノムを明らかにする。そして卵核胞移動が起こる以前の卵を成長段階ごとに単離し同様に2-Color FISH を行い、異質ゲノムの排除の方法とタイミングを明らかにして不妊回避機構の解明を目指す。
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