研究課題/領域番号 |
17J02181
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
礒山 麻衣 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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キーワード | 冷戦 / 日米関係 / アジア財団 / The Asia Foundation / 広報外交 / 文化外交 / 学生 / 学生運動 |
研究実績の概要 |
本年度は、冷戦期のアメリカから日本の学生に行われた、広報外交政策の推進過程と受容過程の基本的な性質を把握することを目指した。アメリカの広報外交の主体として、アメリカ政府のみならず、アメリカの財団に着目したため、推進過程を把握する端緒として、冷戦期アメリカの広報外交における「政府と財団の関係」に関する先行研究のレビューを行った。その結果、先行研究では政府と財団の関係について、(1)財団が政府から独立しているとするもの、(2)財団と政府が相互依存の関係にあるとするものの二種に大別できることがわかった。先行研究の分析レベル、すなわち「何に着目して財団が政府と独立/依存関係にあると判断しているのか」に着目すると、財団や政府といった「組織」に注目したもの、財団や政府組織内の「個人」に注目したもの、財団と政府の活動に注目したものに分かれていた。これにより、財団と政府の関係性については、その分析レベルが異なることによって、依存関係にあると判定するか、しないかが分かれることが示唆された。本研究では、アメリカの財団と政府が日本の学生に対して行った助成活動に注目するが、財団と政府の間の結びつきの形態をどのような視角から明らかにすべきかについての方針がレビューによって明らかになった。 特に、財団の中でも「アジア財団」に注目し、米国国立公文書館資料などからの資料収集を通じて、冷戦期のアメリカ政府との結びつきの形態を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカ広報外交の中でのアジア財団の対日活動の位置づけや、アジア財団とアメリカ政府との関わりの一端を、明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
冷戦期アメリカの対日広報外交の中でも、アジア財団が日本の学生をターゲットに行った対日助成活動に対象を絞って研究を遂行する。
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