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2018 年度 実績報告書

合理的デザインで探る未踏の蛋白質フォールド

研究課題

研究課題/領域番号 17J02339
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究

研究代表者

南 慎太朗  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードタンパク質デザイン / 新規フォールドタンパク質
研究実績の概要

共同研究者である小林准教授(大阪大学蛋白質研究所)・杉木助教(同)との協力により、二種類のデザイン蛋白質がターゲット構造へと正しく折り畳まることが溶液NMRによる構造決定によって確認できた。さらに3および4つめのターゲット構造について新たにデザインを実施し、これらについても単量体として溶液中で可溶であること、αβ型の構造を取っていること、およびデザイン配列全体の大部分が溶液中で一定の構造を形成していることを、多角度光散乱(SEC-MALS)、CDスペクトル、および2次元NMR(1H-15N HSQC)の測定によってそれぞれ確認できた。今後、これらのデザイン蛋白質についても先の2ターゲット同様、NMR測定による立体構造決定を行う予定である。
平行してデザインプロセスの効率化・高速化を目指した新規手法の開発を実施した。デザイン手法の効率化・高速化手法の開発は当初の研究計画には無いが、当初の達成目標であった「3つの新規フォールドデザインの成功」を大きく超える7つのターゲットのデザインを課題期間内に達成するために不可欠である。初年度に実施した2ターゲットのデザイン過程における試行錯誤を通じて得られた知見から現状のデザイン手法の問題点を洗い出し、これらを補うことで計算機によるデザインのプロセスをほぼ自動化することに成功した。上記のとおりデザインプロセスの高速化が見込まれたため、暫定的に7つと設定していたターゲット数をさらに9つへと上方修正した。この際、これまでのデータベース解析内容をより詳細化した再解析を行い、デザインすべきターゲットを最終的に確定させた。
上記の自動デザイン手法を用いて、残る5ターゲット全ての計算機デザインを実施した。新たなシステムによってデザインされた蛋白質は、これまで成功したデザインと比べても質的に遜色ないものであることが計算機による事前評価によって確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

課題開始当初の目標を上方修正したことを受けて、全自動的なデザインシステムの開発に着手。本研究期間内において、開発計画、実装、テストを完了し、さらには実際のデザインにも適用して複数の蛋白質デザインを全自動的に成功させた。これにより、上方修正した目標のデザインについて、コンピュータ上で行う作業は全て完了することができた。

今後の研究の推進方策

3年目前半はコンピュータによってデザインした蛋白質を実験的に検証するフェーズに注力するとともに、研究結果を論文へととりまとめる準備を進める。これまで行った計算機および実験のデータを成功例/失敗例を含めて整理し、蛋白質デザインに関する理解を深める。また、2年目に開発した自動デザインシステムに関しても方法論として高い重要性を持つと考えられるので、論文化を念頭にして整理する。
3年後半は残る全ての実験を完了させ、論文を執筆する。本研究成果は大きなインパクトを与えると予想されるので、国内外の研究会にて広く発表する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] MICAN-SQ: a sequential protein structure alignment program that is applicable to monomers and all types of oligomers2018

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Minami, Kengo Sawada, Motonori Ota, George chikenji
    • 雑誌名

      Bioinformatics

      巻: 34 ページ: 3324-3331

    • DOI

      10.1093/bioinformatics/bty369

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Characteristics of interactions at protein segments without non-local intramolecular contacts in the Protein Data Bank2018

    • 著者名/発表者名
      Kota Kasahara, Shintaro Minami, Yasunori Aizawa
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 13 ページ: e0205052

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0205052

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 全自動デノボ蛋白質構造デザインに向けて2018

    • 著者名/発表者名
      南慎太朗、古賀理恵、千見寺浄慈、古賀信康
    • 学会等名
      第18回日本蛋白質科学会年会
  • [学会発表] 自然界に存在しないフォールドを持つタンパク質は実現可能か?2018

    • 著者名/発表者名
      南慎太朗、古賀理恵、杉木俊彦、小林直宏、古賀信康
    • 学会等名
      第56回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Design of new-fold proteins yet-unexplored in nature2018

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Minami
    • 学会等名
      分子研研究会「New Frontier in Protein Design & Engineering」
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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