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2018 年度 実績報告書

白血病幹細胞におけるエピゲノム制御異常の分子基盤解明と治療標的の検索

研究課題

研究課題/領域番号 17J02389
研究機関熊本大学

研究代表者

久保田 翔  熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードエピジェネティクス / CML / TIF1beta
研究実績の概要

白血病は造血幹細胞から発生するがんであり、白血病細胞の自律的増殖と成熟血液細胞の産生障害を特徴とする。近年、がんは加齢など環境因子に伴うエピゲノム変異に加えて、遺伝子変異や染色体異常などのゲノム変異が付加蓄積した病態としても新たに認識されつつある。ただし、こうした変異の協調作用によるがん発症のメカニズムは未だ明らかでない。こうした状況の中、申請者は“BCR-ABLチロシンキナーゼによるTIF1betaリン酸化を介したエピゲノム制御異常がCML幹細胞を発生・進展させる”仮説を得た。本研究ではこれらのエピゲノムとCMLとの関わりについて明らかにすることを目的とする。
細胞株を用いた実験では内在性TIF1betaをノックダウンした後に、TIF1betaまたはTIF1beta-3YFリン酸化欠失変異体を導入したヒト白血病細胞株K562を樹立した。この細胞株を用いてFLAG-TIF1betaまたはFLAG-TIF1beta-3YF結合蛋白を精製した後にLC/MS解析によって、TIF1betaチロシンリン酸化特異的なクロマチン結合複合体のタンパク質を同定している。現在ノックアウトスクリーニングによる共役分子の同定にすでに取り掛かっている。
マウスを用いた実験ではSTOP-ROSA-BCR-ABLのコンデイショナルノックインマウスにおいてTIF1betaをノックアウトしたところ生存期間が有意に改善した。また、BCR-ABLTIFbetaKOマウスでは著しくCMLの進展を阻害し、一部のマウスでは白血病幹細胞を含めて、白血病が消失した。現在これらのメカニズムについて解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

本年度は特に次世代シーケンサーを使った解析やスクリーニングを推進していく。さらに、今後は研究成果をまとめ、世界に研究成果を発信していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Desuppression of TGF-β signaling via nuclear c-Abl-mediated phosphorylation of TIF1γ/TRIM33 at Tyr-524, -610, and -10482018

    • 著者名/発表者名
      Yuki Ryuzaburo、Tatewaki Takashi、Yamaguchi Noritaka、Aoyama Kazumasa、Honda Takuya、Kubota Sho、Morii Mariko、Manabe Ichiro、Kuga Takahisa、Tomonaga Takeshi、Yamaguchi Naoto
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 38 ページ: 637~655

    • DOI

      10.1038/s41388-018-0481-z

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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