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本研究は、生物活性分子に対して短工程かつ網羅的に官能基化を行うことで、構造活性相関研究の迅速化を目指すものである。
今年度は，(1)独自に見出したジフルオロプロパルギルブロミドジコバルト錯体を利用した様々な含フッ素化合物合成の検討と，(2)芳香族複素環式化合物に対する、新たなジフルオロプロパルギル化の試薬と条件開発を行った。
(1)これまで見出したアルコールのエーテル化及びケトンのエノールエーテル化により得られたジフルオロプロパルギルエーテルを用いることで，様々なフルオロアルキルエーテル合成に成功した．合成したフルオロアルキルエーテルは，いずれも既存の手法では合成困難な化合物であり，開発した手法の有用性を示すことに成功した，さらに本手法は，生物活性分子誘導体に対しても適用可能であり，構造活性相関研究において有用なアプローチであることを示すことに成功した．
(2)昨年度は，ジフルオロプロパルギルブロミドを用いることで，芳香族複素環式化合物であるカフェインに対して低収率ながらジフルオロプロパルギル化を行うことに成功した．本年度は，試薬の反応性向上を指向しジフルオロプロパルギルヨージドを利用することで，カフェインに対するジフルオロプロパルギル化の収率改善に成功した．本結果は，ジフルオロプロパルギルラジカルを発生させ，それを芳香族複素環式化合物に利用した初の例であり，さらに昨年度開発した手法と合わせることで，多様な位置での迅速なプロパルギル化を実現する手法である．
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