Koornwinder多項式と呼ばれるBC型のroot系に関連したMacdonald多項式の研究を行った。具体的には、Koornwinde多項式をFock空間上に構成することを目標とした。Koornwinder多項式を定義するKoornwinder作用素をFock空間上で構成することに成功した。しかし、van Diejenによって構成されたKoornwinder系の高次ハミルトニアンをFock空間上で実現することは未だできておらず、今後の課題である。 2つ目の研究として、non-stationary Ruijsenaars関数を物理的に解釈するという目標に取り組んだ。その結果、non-stationary Ruijsenaars関数が、5次元のN=1* Super Yang-Mills理論にゲージ群を完全に破るsurface defectを挿入した際の分配関数に一致することを発見した。この発見をもとに、refined topological vertexを用いたnon-stationary Ruijsenaars関数(の特殊化)の構成を提案し、論文として発表した。言い換えると、5次元のaffine quiverゲージ理論のパラメータを特殊化することにより、non-stationary Ruijsenaars関数が得られるということが理解された。
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