研究実績の概要 |
本研究は東京大学の小林俊行先生との共同研究である。研究のテーマは与えられた簡約群Gとその部分群G'に対して、対称性破れ作用素(すなわち、Gの表現からG'の表現への連続なG'-intertwining作用素)である。その対称性破れ作用素を構成し、分類し、その性質を調べることが本研究の重要な目標である。GとG'はノンコンパクト群であれば、その問題が極めて難しくなる。最初の完全分類の結果が2015年でMemoirs of American Mathematical Societyで出版された小林俊行先生とBirgit Speh先生によって論文である。本研究はその結果を一般化することに目指している。 Proceedings of the Japan Academy, Series A, Mathematical Sciences (2017)で出版されたSymmetry breaking operators for the restriction of representations of indefinite orthogonal groups O(p,q)論文で不定値直交群G=O(p+1,q+1)とG'=O(p,q+1)の設定での対称性破れ作用素の構成、分類とその性質(留数公式や、関数等式など)に関する研究成果のアナウンスメントを行った。個々の結果の厳密な証明は多くのページ数を必要とし、その執筆を進めている。その設定は小林--Spehの結果と違い、実ランクが1以上設定である。 第56回実函数論・函数解析学 合同シンポジウム講演集(2017)の不定値直交群O(p,q)の対称性破れ作用素論文で対称性破れ作用素の像、新しい積分公式とZuckerman導来函手加群の間のintertwining関数の分類について新しい結果を紹介した。
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今後の研究の推進方策 |
元々は他の不定値群(U(p,q)とSp(p,q))のペーア対称性破れ作用素の分類する目的ありましたが、その代わりに2017年の小林俊行氏とBirgit Speh氏のSymmetry breaking for representations of rank one orthogonal groups II論文の結果(O(n,1)の微分公式の間の対称性破れ作用素の構成と完全な分類)をO(p,q)に対して一般化する予定。
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