研究課題
エフェクターは植物細胞をかく乱することで、植物病源体の感染成立に寄与する、重要な分子である。申請者はシロイヌナズナに感染するColletotrichum higginsianumのゲノム解読をPacBio RSIIを用いて行い、感染を協調的に促進している可能性のあるエフェクター候補遺伝子の集合領域を見出した。本研究の目的は、これらの領域に座乗する病原性に寄与するエフェクターを見出し、その植物細胞内の標的因子の同定を含めた機能を解明することである。本年度も、エフェクター候補遺伝子の集合領域に座上する、エフェクター候補遺伝子CCE1に着目し研究を進めた。研究計画に従い、共免疫沈降法と質量分析を組み合わせた手法によって、CCE1の宿主細胞内因子の探索を行った。本実験は、「平成30年度 若手研究者海外挑戦プログラム」の採用者として、Sophien Kamoun教授の研究グループ(英国 セインズベリー研究所)に留学して実施した。Kamoun教授をはじめ研究室内のメンバーの指導を受け、申請者はCCE1の標的候補を得ることに成功した。現在は、共免疫沈降法および酵母ツーハイブリット法により、CCE1と標的候補タンパク質との結合を確認し、本エフェクターの作用機序解明を目指している。申請時の計画に加え、PacBio RSIIを用いて解読したゲノムアセンブリを用いて、C. higginsianum菌株間の比較ゲノム解析を行った。この解析結果をまとめた論文は、Genome Biology and Evolution誌に受理された(平成31年4月)。また、これまでに培ったゲノム解析技術を生かして、共同研究者と4種のColletotrichum属菌のゲノム解読を行い、Molecular Plant-Microbe Interactions誌に発表した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Plant-Microbe Interactions
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10.1094/MPMI-12-18-0352-A