研究課題/領域番号 |
17J04200
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
逢澤 正嵩 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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キーワード | 太陽系外惑星リング / トランジット / ケプラー宇宙望遠鏡 / TESS |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高精度測光衛星”Kepler”が提供した4年間にわたるデータを用いて、太陽系外惑星リングの性質に制限をつけることである。昨年度までに、Keplerデータを用いた惑星リング探索はほぼ終了して、一つの惑星リング候補を発見するとともに、太陽系外惑星リングの出現頻度が、典型的なKeplerで発見されている惑星の周りで15%以下であることを定量的に示した。それを踏まえ、今年度は引き続き太陽系外惑星リングの探索を行うとともに、新たな研究課題を模索し並行して進めた。まず、惑星リング探索については、Keplerの後継機であるTESS衛星のデータを用いた解析を始めた。TESS衛星は昨年度の打ち上げられ、すでに2018年12月からデータ公開をはじめている。それにあわせ、TESSデータを解析するためのデータパイプラインを用意し、また実際のデータを用いてテスト計算を行った。また、新たな研究課題として、曽望遠鏡にとりつけられたTomo-e Gozenを用いて“白色矮星周りの初の惑星の発見”、”超高速度回転をする白色矮星の発見”を目指すProjectに主要メンバーとして参加し、パイプライン作成、観測、科学的議論に貢献した。加えて、ALMAのアーカイブデータを用いて、原始惑星円盤の向きの間に存在する非等方性を探る研究も始動し、これまでに調べた5つの星形成領域のうち、2つの領域でそのような兆候があることを発見した。惑星円盤の向きを正確に導出するために、スパースモデリングを用いた高解像度化にも取り組み始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の時点ですでに、ケプラー衛星が取得したデータを用いた惑星リングの兆候の探索を終了させた。それを踏まえ、 今年度は、それを新たなTESSデータに拡張するための準備を行うとともに、惑星リングに止まらない広範かつ 萌芽的な研究テーマを複数個始めた。なので、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度でにケプラー衛星のデータ解析はほぼ終了したので、今後は2018年12月に打ち上がったTESS衛星のデータ解析を主に行う予定である。また、その他にも,“白色矮星周りの初の惑星の発見”、”超高速度回転をする白色矮星の発見”, ”原始惑星系円盤の向きの非等方性の発見”など、様々な新発見を行うべく、それぞれ適切な時間配分で研究を行う予定である。
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