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2018 年度 実績報告書

戦後女性作家の文学における動物の表象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17J04312
研究機関青山学院大学

研究代表者

村上 克尚  青山学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワード戦後文学 / 動物表象 / 津島佑子
研究実績の概要

採択2年目である2018年度は、主に津島佑子に関する研究成果の発表を行なった。
2018年9月20日には、「動物と交わる――津島佑子「伏姫」における人間からの逸脱について」と題して、立命館大学での「第9回世界文学・語圏横断ネットワーク研究集会」で発表を行なった。これは、津島「伏姫」における、主人公の女性と猫、犬との関係の描かれ方を分析したものである。ここでは、女性の性欲が動物的とみなされ、差別的な抑圧の対象となるさまと、それを踏まえたうえで、滝沢馬琴『南総里見八犬伝』の異類婚をむしろ肯定的な方向に読み替えていこうとする津島の姿勢を中心に論じた。
10月21日には、「動物の沈黙、死者の沈黙 ――津島祐子『黙市』の連作について」と題して、復旦大学での「第6回東アジアと同時代日本語文学フォーラム」で発表を行なった。これは、津島『黙市』に登場する動物と死者との類縁性に注目したものである。ここでは、本作の「黙市」というキーワードが、柳田国男の山人の伝承をもとに、動物や死者など、私たちを取り巻いている諸存在と、沈黙を保ったまま交渉を続けようとする、津島独自の共同体の構想を提示していることを論じた。
2019年1月12日には、「喪の作業から共生へ ――津島佑子「真昼へ」におけるアイヌの自然観との共鳴」と題して、一橋大学での「セミナー動物のまなざしのもとにおける文学」で発表を行なった。これは、津島「真昼へ」における自然観の変容に注目したものである。ここでは、死んだ息子が好きだった小動物や虫に目を開かれるなかで、おそらくはアイヌのカムイ・ユカラにも啓発されながら、あらゆる自然物が主体として存在しているという世界観に到達した津島文学の帰趨を論じた。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 狸の物言わぬ屍に応答するために――『平成狸合戦ぽんぽこ』論2018

    • 著者名/発表者名
      村上克尚
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 50(10) ページ: 317-324

  • [学会発表] 喪の作業から共生へ ――津島佑子「真昼へ」におけるアイヌの自然観との共鳴2019

    • 著者名/発表者名
      村上克尚
    • 学会等名
      科研費セミナー 動物のまなざしのもとにおける文学
    • 招待講演
  • [学会発表] 動物と交わる ――津島佑子「伏姫」における人間からの逸脱について2018

    • 著者名/発表者名
      村上克尚
    • 学会等名
      第9回世界文学・語圏横断ネットワーク研究集会
  • [学会発表] 動物の沈黙、死者の沈黙 ――津島祐子『黙市』の連作について2018

    • 著者名/発表者名
      村上克尚
    • 学会等名
      第6回東アジアと同時代日本語文学フォーラム
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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