研究実績の概要 |
神経系と免疫系はともに多様性と特異性を兼ね備えた特殊なシステムであることから、これらの機能が共通の分子を用いたり、相互に影響し合うことで担保されていると考えられている。近年、このような神経・免疫クロストークを示唆する報告が相次いでいるが、これらの報告は成体での研究が主であり、脳発生期に関する知見は未だ限られている(Morimoto and Nakajima. Front Neurosci. 13:916, 2019)。 今回の研究により脳発生期においては成体での恒常状態以上にミクログリアが活性化した状態にあり、その局在や数をダイナミックに変化させていることが明らかになった。また、ミクログリアが回路形成中の神経細胞の軸索とも頻繁に接触していることなどを共焦点顕微鏡を用いて観察している。さらに免疫系で重要な分子が発生期脳にも発現していることを見出しており今後その分子の機能に関してもさらに解析を進めていく予定である。
|