今年度は前年度に引き続き、文書のポジネガ分類予測のタスクにおいて予測までの過程を単語センチメント・その極性反転・文書全体のうちどこが重要かをそれぞれ出力することで説明可能な、解釈可能なニューラルネットワークモデルの構築について取り組んだ。今年度は前年度に比べ、より理論的・そして俯瞰的な側面から本理論について解析し、上記を満たすためには「何が必要十分なのか」を理論的に解析することに成功した。 その結果、求められる説明のシチュエーションに応じて柔軟に形式を変えて解釈可能なニューラルネットワークモデルを構築できるような汎用的な枠組みを構築することに成功した。金融業界に限らず、実ビジネスにおいては状況によって求められる説明の仕方が変わりうることを考えると、この「柔軟性」への対応は学術的な側面のみならず産業的な側面からも大きな前進であると言える。 また、本プロジェクトの研究成果について、今年度は 査読あり国際会議 6本に採択させることに成功した。特に、今年度は、AI分野のトップカンファレンスである AAAI (採択率 21 %)、データマイニング分野のトップ・難関国際会議である ICDM (採択率 19 %) や SDM (採択率 24 %) といった一流会議に複数採択され、研究実績としても申し分のない結果を出巣ことに成功したと考えられる。 らに、共同研究先であるヤフー株式会社と共に本研究成果を用いた金融文書やショップレビューの可視化技術の開発についても取り組み(その一部を言語処理学会年次大会にて発表)、本研究の社会実装に向けても大きな前進を遂げることができた。 以上のように、本年度は本研究プロジェクト達成のために核となる技術の創出を行うと共に、研究成果の社会実装に向けて大きく前進することに成功した。
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