| 研究課題/領域番号 |
17J04865
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| 研究機関 | 立教大学 |
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研究代表者 |
平野 進一 立教大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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| キーワード | 低エネルギー有効理論 / 修正重力理論 / 加速膨張宇宙 |
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| 研究実績の概要 |
現代の加速器実験や精密宇宙観測の発展により、力の統一理論の有力候補である超弦理論や重力場の高エネルギー理論である量子重力理論の検証が可能になりつつある。その低エネルギー有効重力理論が、宇宙論的な観測にどのような予言を与えるのか議論することは非常に重要である。本研究では、重力理論の統一的な枠組みを用いることでその理論予言を行い、将来観測での理論の特定を目指す、その足がかりとなる研究を行う。本年度では、ローレンツ対称性を破る量子重力の低エネルギー理論のもつ特徴の研究としてmimetic gravityの宇宙論とGLPV理論による密度揺らぎへの影響の解析を行った。
Mimetic gravity はLorentz symmetryを破るような拘束条件を持ち, 量子重力理論の1つであるHorava-Lifshitz gravityと等価な理論となるため注目を集めている。また、宇宙論的にダークマターとして振舞うことが可能である。本研究では、問題視されていた宇宙論的な安定性を議論し、宇宙論的に安定なmimetic gravityのクラスを特定した。また、ダークマターとしての性質をみたすようなモデルを構築した。
GLPV理論は, 運動方程式が２階の最も一般的なホルンデスキー理論を拡張した高階微分理論で、理論に存在する高階微分演算子は低エネルギー有効理論には頻繁に現れる。このような理論は、宇宙論的なスケールにおいて後期加速膨張を実現し、小スケールでは、力の遮蔽機構が働き、一般相対論の実験結果を再現する。本研究では、GLPV理論で新たに現れる演算子の宇宙論的な密度揺らぎの進化に対する寄与を解析し、その宇宙論的な理論予言を行った。その非線形性から物質バイスペクトルを特徴づける積分カーネルにこの時間発展が組み込まれ、波数依存性を大きく変えることを明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
掲載済み(掲載決定済み)の論文を2本仕上げることができ、その成果を国内学会・国際学会・セミナーで広く周知することができたため。今後の研究に向けた議論も行うことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
2年時の研究計画に加え, 高階微分理論の観測的検証に向けて具体的なモデルを用いた解析を行う。
具体的には、GLPV理論を拡張した現在把握されている中で最も一般的な高階微分であるDHOST理論を用い、本年度行った解析を行う。モデルに依らない範囲で、密度揺らぎの発展を定式化し、普遍的な性質を明らかにする。その後、解析的に扱えるモデルで、観測量のパラメータの依存性を評価する。これにより、観測量から大まかな理論への制限を行うことができる。特に、線形成長因子とバイスペクトルは、将来観測により明らかにされる部分が大きいため、モデルを用いて具体的な見積もりを行う。この研究は、現在も進めており、7月の国際学会で発表する予定である。また、国内学会・セミナー等行い、広く議論していく予定である。
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