| 研究課題/領域番号 |
17J05154
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
東 若菜 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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| キーワード | 水分生理 / 貯水 / 水利用 / 蒸散 / 樹高成長 / 高木 / 組織構造 / 生存戦略 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、高木や高齢木の特徴ある樹種グループを対象に、高所への新規給水システムの実態把握や枝葉の貯水・通水機能の基盤となる組織構造とその役割の発見を通して、森林生態系を構築する樹木の水分生理学的適応様式を解明することを目標としている。
本年度は、半島マレーシアパソ森林保護区内で隣接して生育する樹高40 mほどのDipterocarpus sablamellatus（DIPTSU）および樹高35 mほどのPtychopyxis caput-medusae（PTYCCA）について、水分生理特性や解剖特性等を測定した。その結果、DIPTSUでは貯水性が高く、PTYCCAでは浸透調節能が高く、両種で高所での水分生理特性は異なっていた。一方で、樹液流速の連続測定から予測される幹の木部貯留水の寄与は両樹種ともにみられなかった。また、DIPTSUとPTYCCAでは葉柄の組織構造に顕著な違いがみられた。
また、本年度は、高木種ヒノキの樹体内貯留水量とその蒸散への寄与についての実験をおこなった。滋賀県の桐生試験地に生育する樹高7 mほどのヒノキについて、単木のpressure-volume曲線を作成するとともに樹皮の伸縮量や葉のpressure-volume曲線を求めて器官別の樹体内貯留水の日変動について算出し、蒸散量の日変動とあわせて評価した。その結果、樹体内貯留水の日積算蒸散量に対する寄与率が評価され、日スケールの単木の水利用においては特に葉の貯水が重要であることが示唆された。
さらに、特徴ある樹種グループの対象として日本の森林限界域に生育する樹木の水分生理学的適応様式を明らかにするために、長野県の標高2500 m地点に生育する4樹種の調査をおこない予備的な結果が得られた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は当初の計画通りの調査に並行して、発展的なテーマにも意欲的に取り組むことができた。また、学会および国際ワークショップでの口頭およびポスター発表の他、学術誌への投稿、一般向けの書籍の共同執筆において、研究成果を公表することが出来た。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでに得られてきた結果を踏まえて、計画に沿った継続的な調査を遂行していくとともに、発展的な課題についても意欲的に取り組んでいく。
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