研究課題/領域番号 |
17J05200
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村田 峻輔 神戸大学, 保健学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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キーワード | 運動器慢性痛 / 高齢者 / 遂行機能 / 身体活動 |
研究実績の概要 |
本研究では認知機能の遂行機能に着目しており、「遂行機能が痛みの憎悪に影響を与えるのか」を検討し、因果関係を明らかにすることを目的としている。平成29年度の計画において実施することは大きく3つある。①毎年行っている地域在住高齢者を対象としたデータ測定を実施し、縦断研究のフォローアップ調査(ベースライン調査に関しては昨年度に行っている)を行い、遂行機能が痛みに影響を与えるのかを縦断的に検証すること、②検証した結果を論文にまとめ、国際学術誌及び学会へ投稿すること、③介入研究のプレ実験を行うことである。 ①に関してはデータ測定を予定通り行い検証を行った。研究デザインは縦断的観察研究であり、対象者は地域在住高齢者64名(平均年齢: 72.8、女性: 68.8%)を対象とした。痛みの程度はNumeric rating scale、遂行機能はTrail making testを用いて測定した。その他に年齢、性別、教育歴、抑うつ症状(Geriatric depression scale)、Mini-mental state examination、歩行速度、整形外科疾患の有無、鎮痛薬の使用を測定した。縦断的観察研究を行い遂行機能が痛みに与える影響を検討した結果、遂行機能が痛みに影響を与えるのではなく、痛みが遂行機能に影響を与える可能性が示唆された。 ②に関して、得られた観察研究の成果を英語論文としてまとめ、現在国際誌に投稿中であり、学会でも発表予定である。 ③のプレ実験に関しては観察研究の結果が仮説通りの結論は得られなかったため、実施を延期し研究デザインや遂行機能向上のための介入方法などの計画を再検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プレ介入研究に関しては得られた観察研究の結果に応じて延期を要したが、他に関しては予定通りに進められたため。
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今後の研究の推進方策 |
プレ研究を延期したが、ランダム化比較試験は観察研究より質を高く因果関係について検証できるため、平成30年度は予定通り運動器慢性痛を有する地域在住高齢者を対象として本試験を実施する。
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