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2018 年度 実績報告書

ジャコバン主義の思想史的研究:「制度」ならびに「立法者」概念を手がかりとして

研究課題

研究課題/領域番号 17J05902
研究機関東京大学

研究代表者

山下 雄大  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワードジャコバン主義 / フランス革命 / 立法者 / 統治 / ルソー主義 / サン=ジュスト / ロベスピエール / ビヨ=ヴァレンヌ
研究実績の概要

本年度(2018年度)は前年度の研究成果を考慮した上で、公安委員会の理論的指導者であるサン=ジュスト、ビヨ=ヴァレンヌ、ロベスピエールの三者に共有されている「統治への不信」というモチーフに基づく「統治」概念の特殊な用法、および1793年後半に完成した「革命政府」の理論形成におけるその帰結の究明に取り組んだ。具体的な内容は以下の通りである。
まずはルソーの政治哲学における「統治」概念の形成過程と「行政官」の意義に着目するとともに、ルソー主義の関連文献を読解・分析し、革命期の「統治」批判とルソー受容の関係性について検討した。ルソーにおいては必要悪と位置づけられている行政官をめぐる議論を参照軸とした結果、革命初期にすでに登場していたことが指摘されているルソーを叩き台とした理論形成の傾向、すなわち「アンチ・ルソー主義」が93年のジャコバン主義に及ぼした影響の範囲が画定された。
続いて、革命政府の理論化に大きく寄与したとされている上記三者の演説をコーパスとして、「統治」と「立法者」概念に注目しながら93年のジャコバン主義に通底するレトリックを検討した。共和政の安定のために求められる自己統治の理想が人民の対概念として形成された可変的な「敵」と名指された人物に対する統治へと向かうアポリアのなかで成立を余儀なくされた革命政府の理論にあっては、特徴的な解釈を施された「立法者」概念が重要な役割を果たしている。この視点を導入することにより、立法府の成員たる代表者としての近代的立法者による、人民それ自体の創造・再生を担う古典的立法者像への自己同一化の試みが93年のジャコバン主義を際立たせる争点のひとつであることが判明した。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 統治への不信 サン=ジュストの政治哲学とその適用2019

    • 著者名/発表者名
      山下雄大
    • 雑誌名

      年報地域文化研究

      巻: 22 ページ: 22-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 統治なき自然、蜂起するデモクラシー ミゲル・アバンスールのサン=ジュスト論から出発して2018

    • 著者名/発表者名
      山下雄大
    • 雑誌名

      HAPAX

      巻: 9 ページ: 55-74

  • [学会発表] La defiance envers le gouvernement : l’anti-rousseauisme dans la philosophie politique de Saint-Just2018

    • 著者名/発表者名
      Takeo YAMASHITA
    • 学会等名
      12eme Conference academique de jeunes chercheurs dans le cadre du Centre d’etudes Multiculturelles de la Maison du Japon (CEM)
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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