研究課題
本研究では、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を使用し、超高圧下での物性測定を行うことを目的としている。超高圧下で正確な測定を実現させるためには、数十~数百μm四方の非常に小さなスペースに4端子を形成する必要がある。本研究ではこれまでに、CVDを用いてダイヤモンドにボロンをドープし、金属的な振る舞いを示すボロンドープダイヤの成膜に成功している。これまでに、このボロンドープダイヤモンドをアンビル上に電極として微細加工することで、5つの新しい超伝導体を発見した。最終年度となる本年度では、これまでに得られた知見に基づき、ダイヤモンドの先端径を微細化させることによって、200 GPa程度の超高圧力の発生と、この圧力下での硫黄水素化物の合成に成功した。合成した硫黄水素化物は30 K程度の超伝導転移温度を示し、これは新たな水素化物高温超伝導体であると考えられる。また、本年度は、研究実施計画に記載した通り、高圧力下での電気二重層トランジスタ構造の実現にも取り組んだ。ビスマス薄膜を、イオン液体を圧力媒体として加圧した後、ゲーティングを行うことで、試料の電気抵抗をチューニングすることに成功した。また、ゲーティングした状態で圧力を印加していくと、イオン液体が固化することによって、誘起されたキャリアがロックさせることを見出した。これらの成果から、本研究では研究実施計画で掲げた目標を達成し、材料科学の発展に大きく貢献したものと考えている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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