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2018 年度 実績報告書

アミノ酸シグナル調節による運動器疾患の発症制御

研究課題

研究課題/領域番号 17J06262
研究機関金沢大学

研究代表者

尾崎 翔  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワード骨組織 / アミノ酸シグナル / アミノ酸トランスポーター / mTOR Complex 1
研究実績の概要

私たちのこれまでの研究により、破骨細胞特異的に中性アミノ酸トランスポーターLAT1を欠損させた遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス)の脊椎と大腿骨では、組織中の海綿骨量が減少することが明らかになっていた。この理由として、トランスポーターの欠損が細胞内へのアミノ酸の取り込み不足に繋がり、細胞内のアミノ酸によって活性化されるセリン・スレオニンキナーゼmechanistic target of rapamycin Complex 1 (mTORC1)の活性化が起きていないことが考えられた。そこで、破骨細胞特異的にmTORC1の機能を抑制する因子HamartinとLAT1を共に欠損させたマウス(レスキューマウス)を作製したところ、脊椎と大腿骨の海綿骨量は野生型マウスと同程度の値を示し、ノックアウトマウスと比較して有意に高い値を示した。
以上が平成29年度までの実験により明らかとなっていた内容であり、平成30年度は海綿骨量が減少した原因を詳細に調べることにした。骨組織では破骨細胞が組織中の古くなった基質を分解し、骨芽細胞が新しい基質を作るサイクルが働いている。これらの細胞の機能に異常が生じると骨量の減少や増加が起きることになる。そこで、私たちは組織中の破骨細胞や骨芽細胞の活性を評価することを目的として、骨形態計測を行った。その結果、ノックアウトマウスの脊椎では、野生型マウスに比べて破骨細胞の活性化が認められたが、骨芽細胞の測定値に有意な変化は認められなかった。また、レスキューマウスではノックアウトマウスと比較して破骨細胞の活性が有意に低下しており、野生型マウスと同程度の値を示すことが明らかとなった。以上の結果から、破骨細胞の中性アミノ酸トランスポーターLAT1はmTORC1を介して破骨細胞の活性化を調節している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1.当初の計画通り、別のアミノ酸シグナル関連因子として破骨細胞特異的にmTOR Complex 1の構成タンパクであるRaptorを欠損させたマウスを作製したところ、3週齢付近で死亡することが明らかとなり、予定されていた週齢での解析ができなかった。
2.当初のもう一つの計画である「骨代謝性疾患モデル動物の骨組織で発現・修飾変動するアミノ酸シグナル分子の同定」に取り掛かれていない。
以上の理由から、遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り進めるが、破骨細胞特異的Raptorノックアウトマウスに関してはCreERT2などのシステムを使用し、時期特異的な欠損を引き起こして解析する必要があると考えている。

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公開日: 2019-12-27  

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