近年、星周物質と相互作用している超新星が発見されている。それらの超新星が恒星の進化理論に変更を迫るような大きな問題を提起していることで研究者の注目を集めている。この超新星は、超新星噴出物と超新星親星の爆発前の質量放出で作った星周物質との衝突で光っている。その為、光度曲線の解析から親星の爆発直前の質量放出を推定することができる。しかし、そのようにして求められた質量放出率は、恒星の進化理論で爆発すると思われているいかなる星でも説明できないほど大きな値になってしまう。 これまでに培ってきた星周物質を調べる方法を用いて、この問題に取り組んだ。具体的には、偏光を取り入れた輻射輸送計算を行い、IIn型超新星の周りの物質の情報から親星の爆発直前の質量放出の時間進化と空間構造の情報を引き出すことで、親星の質量放出メカニズムを議論した。
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