研究課題
Wi-Fi電波を用いてドアや窓の開閉状態等の日常物の状態を推定する手法について研究を行い、その成果を国内外の会議で発表した。本研究では部屋にWi-Fi電波の送受信機を1台ずつ設置し、受信機において取得されたWi-Fi電波の伝搬特徴であるチャネル状態情報(Channel State information: CSI)のみを用いて日常物の状態を推定する。既存の日常物の状態推定手法として、各日常物にセンサを設置する手法やカメラを用いる手法が挙げられるが、これらの手法は多くのセンサを設置、管理するコストが高いことや、カメラ撮影によってプライバシーを侵害するという問題がある。本手法を用いることで既に部屋に置かれているWi-FiアクセスポイントとPCを用いて、プライバシーに配慮した日常物の状態推定を実現できる。独立成分分析によってCSIデータからノイズ除去を行い、深層学習を用いてCSIデータから日常物の状態推定に有用な特徴量を自動的に抽出し、時系列性や日常物の状態変化の制約を考慮することによる精度改善のために抽出した特徴量から隠れマルコフモデルによって日常物の状態を推定するという手法を提案した。また、実際の環境において、カメラを用いて取得した真値により評価実験を行ったところ、提案手法による日常物の状態の推定精度は90%以上を達成した。本成果は論文誌IMWUTに投稿し、国際会議Ubicomp2017で口頭発表した他、国内の研究会でも発表を行った。また、本発表により国際会議発表奨励賞を受賞した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Proceedings of the ACM on Interactive, Mobile, Wearable and Ubiquitous Technologies
巻: 1 ページ: 1~28
10.1145/3131898