平成31年度(令和元年度)、二酸化炭素光還元に有効な半導体—錯体複合光触媒の研究において重要な課題のひとつである、広域可視光応答可能な半導体材料であるナノ粒子Ta3N5光触媒の合成検討に精力的に取り組んだ。ナノ粒子Ta3N5光触媒の合成は格子欠陥の低減と光酸化力の向上を目的として、SiO2表面上にナノ粒子Ta2O5が被覆した酸化物前駆体をアンモニア窒化することで行った。一連の結果から、1023 Kのアンモニア窒化して得られたナノ粒子Ta3N5担持SiO2複合体において、Ta3N5に酸化物アニオンがドープされていることを確認した。このナノ粒子Ta3N5は従来のバルク型Ta3N5よりも7倍高い性能を持つことを明らかとし、本成果はChemPhotoChem誌に掲載受理された。今後、ナノ粒子Ta3N5を表面修飾することで、光触媒活性を向上することにより研究がさらに展開していくと考えられる。
|