研究課題
今年度は、①ハノイ旧市街の商業空間・商業活動におけるグローバル化の表出と転換プロセスについて文献および現地でのヒアリング・観察調査、②都市部における同業者集積研究の系譜の整理に向け、文献調査をもとに分析・考察を行った。今年度・過年度の成果を国内外の学会・研究会で6件発表した。①グローバル化の発展段階に関する文献をレビューし、研究協力者と共にベトナム都市部におけるグローバル化の影響の4つの視点(人・資本・文化とアイディアの流れ、デジタル化)を見出した。これらについてハノイ旧市街の商業空間・活動への現れ方を抽出し、中間まとめとして10月にハノイで行われたセミナーで共同発表した。地区内でも特に観光化の進行が早いハンブオム通りの新規参入者9件にヒアリングし、新規参入者のプロフィールの特徴の抽出、新しい業態の出現を確認した。通り景観への影響として、特に一棟貸しの場合はほぼ建て替えになるため、物理的環境の影響の大きさを指摘した。②主に地理学(歴史、経済)、都市計画分野をレビューした。同業者集積は経済発展・地域活性化の点で重視されるが、集積自体の文化遺産的価値に言及するものは、地理学分野でギルド内の独自の商取引習慣への言及に示されるに過ぎず、同業者集積に都市遺産価値が見出せるハノイ旧市街で、そのマネジメントを検討する研究の意義を見出した。以上の内容を1月に龍谷大学で行われた研究会で発表した。以上に加え、地区の歴史・計画・研究内容を一元化して把握・公開し、行政・研究者・住民の利用に供する地区のデジタルアーカイブの構想を現地研究協力者とともに立ち上げ、博論の成果公表も兼ねてウェブサイトを構築中である(未公開)。当初の研究計画で予定していた参加型手法への提案については手つかずのものの、デジタルアーカイブの取組は将来的な参加型手法への活用も見据えており、継続して取組を進める予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)
巻: 都市計画 ページ: 207-208
Proceedings of International Conference of Asian-Pacific Planning Societies 2018 CD-ROM
巻: 2. Smart Governance ページ: 57JA (全24頁)