• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

未来志向的行動 -将来に向けた準備的記憶方略の進化と発達-

研究課題

研究課題/領域番号 17J07232
研究機関京都大学

研究代表者

岸本 励季  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワードメタ認知 / 忘却 / フサオマキザル
研究実績の概要

フサオマキザルが、生じうる忘却を予想し準備的に情報を希求するか、そして、その予想には、遅延時間情報だけではなく、自身の記憶状態の認知も用いられるかを以下の3つの実験を通して検討した。
(実験1)遅延時間を明示するシグナルを付した遅延見本合わせ課題に、遅延終了時での見本の再呈示を希求する選択肢を設けた。遅延時間の長短は試行間でランダムに操作した。その結果、3個体中2個体は、遅延が長いと予告された場合に、より頻繁に見本の再呈示を希求した。これはフサオマキザルが、「遅延が長いほど忘れている可能性が高い」という判断を行った可能性を示唆する。
(実験2)最初から見本を呈示しない、すなわち、被験個体が、希求するかを選択する時点で見本の記憶を全く有していない状況を設けた。その結果、記憶痕跡を有していないからといって、より頻繁に再呈示を希求する行動はみられなかった。
(実験3)見本呈示後に妨害刺激を呈示し、選択時点の記憶痕跡を弱める試行を設けた。その結果、判断時点での記憶痕跡が弱いからといって、より頻繁な再呈示希求を行った個体はみられなかった。
以上の結果により、遅延時間以外の手がかりの使用がみられなかったため、公的手がかりだけを用いた可能性を否定することはできない。しかし、遅延時間シグナルの長短だけで選択を行っている可能性は低いと考えられる反応を示した個体はいた。このことから、フサオマキザルは、時間経過によって記憶忘却が生起することを認識し、事前に情報を希求するようであるが、その判断に記憶状態の参照は含まれない可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Do capuchins (Sapajus apella) know how well they will remember? Analysis of delay length-dependency with memory strategies2019

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto R., Iwasaki S., & Fujita K.
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Psychology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1037/com0000164

    • 査読あり
  • [学会発表] Capuchin monkeys (Sapajus/Cebus apella) seek information for their future memory state: prospective strategy against their own forgetting2018

    • 著者名/発表者名
      岸本励季・岩崎純衣・藤田和生
    • 学会等名
      日本動物心理学会第78回大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi