本研究では、新規なキノキサリンイミド(QI)系のn型骨格を開発し、深いLUMOレベル且つ1.0 eV以下の狭いエネルギーギャップを持つn型有機半導体を開発する。そして合成した狭エネルギーギャップ有機半導体を用いて近赤外光熱電変換素子へ応用する。設計・合成した有機半導体の特性および薄膜構造とエネルギー変換現象の相関関係を詳細に検討し、近赤外光熱電変換材料の高出力化のための分子設計指針を確立することを目的としている。 本年度は前年度に合成した狭エネルギーギャップ有機半導体を用いた近赤外光熱電変換素子の作製と評価に取り組んだ。用いるポリマーの吸収波長やエネルギーレベル、電気伝導性と得られる温度上昇や熱起電力との相関関係を明らかにした。
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