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2019 年度 実績報告書

非可逆現象の統一的理解に向けたカオス現象の解析的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17J07694
研究機関京都大学

研究代表者

大久保 健一  京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードカオス / エルゴード / Anosov力学系 / 無限測度 / 時系列 / カオス性判定 / レーザーカオス
研究実績の概要

本年度の研究では, カオス力学系のエルゴード特性についての研究とカオス時系列の研究を行なった.
1つ目の研究はカオス力学系における時間の矢の問題について扱った. 時間の矢の問題は, ボルツマンのエントロピー増大則から統計物理の分野で多くの興味を集めている. ボルツマンの主張に対して, 当時はロシュミットとツェルメロから, それぞれ時間反転対称性を持つ系では, H関数が増加することもあるという反論や測度が保存する系ではポアンカレの再帰定理より, H関数は初期状態に任意に近い状態に戻ってくるという反論が起こった. そこで, 本研究では, 時間反転対称性を持ち, 測度の保存も成り立つ力学系において, アノソフ性を証明することで, 密度関数の収束という時間の一方向性を解析的に証明した. 結果を論文にまとめ, 現在投稿中である.
2つ目の研究では, 1次元力学系における無限測度のエルゴード性の証明を行なった. 具体的には, 超一般化Boole変換という1パラメータを持つ可算無限個の1次元写像において, パラメータαがα=±1の時に, 力学系がLebesgue測度を保存することと, Lebesgue測度において系がエルゴード的となることを証明し, 日本応用数理学会で発表し, 現在論文にまとめている.
3つ目の研究では, レーザーの時系列データについて, 既存のカオス性判定指標の評価を行なった. その判定指標ではノイズに対して脆弱性があることを数値的に示した. この結果を論文にまとめ掲載が決まった.

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 一般化Boole変換におけるLyapunov指数の理論値を用いた レーザーカオスのカオス性評価2020

    • 著者名/発表者名
      大久保 健一, 桒島 史欣, 梅野 健
    • 雑誌名

      レーザー研究

      巻: 48 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 超一般化Boole変換における無限測度のエルゴード性の証明2020

    • 著者名/発表者名
      大久保健一, 梅野健
    • 学会等名
      日本応用数理学会
  • [学会発表] アノソフ写像と超拡散2019

    • 著者名/発表者名
      大久保健一, 梅野健
    • 学会等名
      「レーザーのカオス・ノイズダイナミクスとその応用」 専門委員会研究会
  • [学会発表] あるシンプレクティック写像のAnosov性について2019

    • 著者名/発表者名
      大久保健一, 梅野健
    • 学会等名
      日本応用数理学会

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公開日: 2021-01-27  

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