研究課題/領域番号 |
17J08243
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鳥取 伸彬 立命館大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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キーワード | 発育発達 / 疾走能力 / MRI / ジュニアスプリンター |
研究実績の概要 |
疾走能力に必要な筋力、筋部位、動作を検討することは陸上競技に限定されることなく、様々なスポーツパフォーマンスの向上に貢献することが期待できる。また、子どもの時期に疾走能力を向上させることは、将来の運動能力向上の基盤となることが期待できる。そこで本研究は、小学生期から中学生期までの成長による発達とトレーニング等による発達を類別化した上で、下肢筋および体幹筋の発達による疾走能力向上の解明と、新規トレーニングプログラムを開発することを目的とした。本年度は、一般児童における縦断データの取得開始、およびジュニアスプリンターにおける疾走能力と筋横断面積の関係を検討した。 一般男子小学生を対象に膝関節伸展トルクに関連する形態学的要因についてMRI法を用いて検討した。その結果、等尺性および等速性膝関節伸展トルクに対して膝蓋腱モーメントアームが大腿四頭筋の筋横断面積および筋体積と同程度貢献することが明らかとなった。さらに、大腿四頭筋の筋体積は体重と相関関係が認められたが、モーメントアームは身長とのみ相関関係が認められた。これらの結果より、児童期において、発揮トルクに対して大腿四頭筋と独立してモーメントアームが大きく貢献することが示唆された。 小学生スプリンターにおける疾走能力に関連した筋部位を体幹および下肢筋横断面積より検討した。その結果、大腰筋、大腿四頭筋、内転筋群の筋横断面積が疾走能力と相関関係が認められた。しかしながら、本結果は横断データから得たものであり、同様の成長段階にある一般児童との差並びに成長による筋の発達との相乗効果などは不明であり、今後の検討課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、本年度は一般児童のデータを取得することができ、次年度以降も継続して測定を行うことのできる被験者を確保した。また、一般児童と同年代にあるジュニアスプリンターの疾走能力も測定を行い、次年度以降の準備も進めている。以上の理由から、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、被験者数をさらに増やした上で、引き続き一般児童の縦断データの取得を行い、成長による下肢筋および体幹筋の発達について検討することを進める。一方で、ジュニアスプリンターに関しても同様の知見を得るためにMRI法を用いて検討する。
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