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2018 年度 実績報告書

現代トルコにおけるアラウィー派の信仰隠し―知識の共有と秘匿に関する人類学的研究―

研究課題

研究課題/領域番号 17J08254
研究機関京都大学

研究代表者

山﨑 暁  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードアラウィー派 / シーア派 / トルコ / 信仰隠し / 秘密
研究実績の概要

本研究は、現代中東のアラウィー派信徒にとって、外部に対する秘密主義の実践がいかなる意義をもつのかを解明することを目指している。ムスリムが安全保障・宗教上の理由により自らの信仰を第三者から秘匿する行為は「信仰隠し」(タキーヤ)として知られ、特にシーア派少数分派(アラウィー派、ドゥルーズ派など)の信徒が今日まで実践してきたとされてきた。しかし、各派をめぐる社会変化や派内のアクターの実践・解釈を視野に入れてその内実を問う研究はこれまで少なかった。
本課題の2年目にあたる平成30年度は、トルコ南部のアラウィー派コミュニティにおける長期の現地調査を通じたデータ収集を計画していたが、不安定な現地情勢を考慮してそれを変更し、これまでに代表者が得たデータに基づく議論の構築とそのアウトプットに専念した。現代のアラウィー派コミュニティでは、積極的な信仰実践、あるいは自派に対する過去の迫害に起因する慣習的行動として外部に対する秘匿を肯定する伝統主義的な立場と、同派独自(秘密)の教義・実践の存在自体を否定あるいは問題視し、主流派への接近を続ける改革主義的な立場への分極化が起きている、というのが議論の要旨である。その論拠としては、信徒からの聞き取り内容や同派信徒が運営する民間団体の出版物などを用いた。この研究成果は、12月に京都で開催された地中海研究機関アジア連合の国際会議にてポスター発表を行ったほか、3月にパリで開催されたイスラーム研究の国際研究集会にて口頭発表を行った。
秘密主義をめぐる派内の立場の違いに注目する本研究は、19世紀のオリエンタリストによる先駆的な研究以来たびたび生産されてきた、「閉鎖的な共同体」という同派に対するステレオタイプに疑問を投げかけている点に最大の意義がある。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Between Secrecy and Orthodoxy: Tradition and Reform among Contemporary Alawis2019

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Satoru
    • 学会等名
      SIAS-KIAS-CNRS Sixth Japanese and French Seminar for PhD Students: Sufism, Sufi Orders and Saints from the Middle East to Asia
    • 国際学会
  • [学会発表] An Esoteric Sect or the Twelvers?: A Question of Identity of Contemporary Alawis2018

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Satoru
    • 学会等名
      The II. International Conference of the Asian Federation of Mediterranean Studies Institutes
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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