• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

緑藻クラミドモナスにおける二酸化炭素環境に応じた葉緑体レトログレードシグナル機構

研究課題

研究課題/領域番号 17J08280
研究機関京都大学

研究代表者

豊川 知華  京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワード光合成 / 無機炭素濃縮機構 / CO2シグナル伝達 / 緑藻クラミドモナス / ピレノイド / デンプン / イソアミラーゼ
研究実績の概要

CCMに必須な炭酸脱水酵素と推定されているLCIBは、葉緑体レトログレードシグナルの制御因子であるCASと同様に、CO2濃度と光に応答してその局在を葉緑体全体からピレノイド周囲へと変化させる。安定的なCAS蛍光株の作出は困難であったため、これまで単離したLCIBの局在異常株に焦点を絞って研究を進めた。
昨年度単離したLCIB局在異常株4-D1は、タグ遺伝子の挿入変異によりデンプン合成酵素イソアミラーゼ1が欠損し、デンプンを蓄積せず、ピレノイド周囲のデンプン鞘が形成されないことを明らかにした。さらに、デンプン合成に関わるα-1,4 グルカノトランスフェラーゼの変異株sta11-1では4-D1株と同様にLCIBの局在に異常が認められたが、デンプン鞘を薄く形成する変異株sta2-1ではLCIBは正常に局在化した。今回、デンプン鞘の形成がLCIBのピレノイド周囲への局在化に必要であることを明らかにした。
また、4-D1株とsta11-1株は共に、超低CO2条件における生育の遅延と、光合成における無機炭素への親和性の低下を示したことから、デンプン鞘が超低CO2条件における無機炭素に対する親和性の維持に必要であることが示唆された。なお、4-D1株でHCO3-輸送体であるLCIAのタンパク質蓄積レベルが低下したことから、デンプン鞘形成が葉緑体から核へと発信されるレトログレードシグナルに関与する可能性が示唆された。これらの結果を論文にて報告した(Toyokawa et al., Plant Physiology, 2020)。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Pyrenoid Starch Sheath Is Required for LCIB Localization and the CO2-Concentrating Mechanism in Green Algae2020

    • 著者名/発表者名
      Toyokawa Chihana、Yamano Takashi、Fukuzawa Hideya
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 182 ページ: 1883~1893

    • DOI

      https://doi.org/10.1104/pp.19.01587

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ピレノイド周囲のデンプン鞘はLCIBの局在と無機炭素濃縮機構に必要である2019

    • 著者名/発表者名
      豊川 知華,山野 隆志,松岡 俊樹,福澤 秀哉
    • 学会等名
      第13回クラミドモナス研究会
  • [学会発表] 緑藻クラミドモナスのデンプン鞘はLCIBの局在と無機炭素濃縮機構に必要である2019

    • 著者名/発表者名
      豊川 知華,山野 隆志,松岡 俊樹,福澤 秀哉
    • 学会等名
      第35回ユーグレナ研究会
  • [学会発表] 緑藻のCO2濃縮機構におけるデンプン鞘の役割2019

    • 著者名/発表者名
      豊川 知華,山野 隆志,福澤 秀哉
    • 学会等名
      第15回京大植物縦横無尽の会ワークショップ
  • [学会発表] クラミドモナスにおけるデンプン鞘はCO2濃縮機構に必要である2019

    • 著者名/発表者名
      豊川 知華,山野 隆志,福澤 秀哉
    • 学会等名
      第61回日本植物生理学会年会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi